鯖のへしこ

「へしこ！さば（鯖）のへしこを取りにきて」

唐突にスナックのママからでんわ。

自称・間夫（まぶ≒愛人）が
（古今亭志ん生風にいえば）アブみてぇな顔ォをして
お土産にたくさん持ってきたらしい。

へしことは福井県あたりの魚のぬか（糠）漬け。
この特産品は塩がきき過ぎているのがフツーで
健康にとやかくいう人は嫌います。

持ってきた人には
「おいしかった！」
「あっという間に食べた」と
お愛想笑いしていっておいて
たいてい私のところに回してきます。

え！？これだけですか！

「あちこちに声をかけたら」
「みんな欲しいといった」とかで
残ったのはひと切れと頭としっぽだけ。
あちこちに声をかけるなよ。



ま！仕方がない。

ひと切れ！ぬかをぬぐって焼きました。

頭としっぽは昆布といっしょに水から入れて沸かし
下茹でした大根と人参を煮ます。

角のあるような塩気を感じたので
酒粕も入れておきました。
仕上げに醤油をたらたら。

庭（ベランダのプランターともいいますが）の
パセリをバターとサラダ油で炒めて
へしこについていたぬかを加えて調味。



3 品できました。

今夜はこれでビールを飲んで
昨日もらったおにぎりをあたためて食べます。

今日も生かされて。



（敬称略）