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蜆川心中 夢の夢こそ哀れなれ [わが街・大阪ブギウギ]

JR大阪駅の南に
やはりJR(東西線)の北新地駅があります。

その南に
大きく円弧を描いている街並みがあります。
新地本通り(堂島本通り)と
堂島上通りの間。
幅員 30m から 40m ほど。

そこは川の跡なんですね。
蜆川(しじみがわ)
書によっては曽根崎川と記述されています。
私は正式な名前なんか知る由もありませんが。

大きな堂島川から水を取り込んで
堂島川に並行するように流れ
また!堂島川へ帰っていたらしい。

堂島川に架かる大江橋から見る
蜆川の入口があったあたり。
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なにもその痕跡は見当たりませんが。



「池田の猪(しし)買い」という上方落語で
恥ずかしい病気にかかった脳みその少ない男が
池田までの行き方を教えられています。

その最初の方に
「淀屋橋!大江橋!蜆橋と!橋を三つ渡る」
とありますね。

大江橋の南に淀屋橋があります。
ということは
ここから北に向かえば蜆橋。

ここは御堂筋。
大江橋の北東から始まった蜆川は
弧を描いて御堂筋を横切っていたのですか。

ありました。
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ビルの壁に
「しじみばし」の名をとどめていました。



蜆川(しじみがわ)に沿って下ります。

ここはいわゆる「北新地」
大阪を代表する遊び人の街。

昔の北新地は
遊女のいる茶屋が並んだ花街らしい。

蜆川の北岸が曽根崎新地
南側が堂島新地と呼ばれていたのかも。

ネオンのない今の昼間は
ただのごたごたした下町風情ですが。
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近松門左衛門(1653~1724)の
「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」の
小春と紙屋治兵衛の道行き場面
いわゆる「名残りの橋尽くし」の出発も
蜆川でしょうか。

  いとしかはひと 締めて寝し
  移り香も
  なんとながれの 蜆川

余談ですが!愛しい可愛いと
首をしめた訳じゃないんですよ。
体を抱きしめて寝たということ。

ああ!
別れの直前は!
特に死出の前はすごい情熱だったんでしょうねぇ。
今度!ハイキングのときでも
経験豊富なアラフォー(around 40)お局さまたちに
聞いてみますか。

ふたりが逢瀬を重ねた“河庄”があったあたりに
蜆橋か蜆川かの碑がありました。
blog24.jpg
(すみません!浅学にして読みとれません)

さらに下れば
今の四つ橋筋と交差するところに
「元 櫻橋 南詰」とありますね。
blog25.jpg
(画像の右端の碑)



明治 7 年(1874 年)
大阪駅(梅田ステンショ)が造られたとき
荷さばきの便をはかって
堂島川につづく梅田運河が掘られたそうです。
途中で蜆川と交差していました。
ということは
そこにも四ツ橋があったのでしょうか。

よく分りませんが
その梅田運河の方に架かっていたのが出入橋。
blog30.jpg

今は!川はないけど橋だけは残っていますね。

橋を渡って南側には大阪堂島市役所跡の碑。
blog26.jpg

現在の中之島の市役所は 3 代目。
堂島市役所は 2 代目だったそうですよ。

また!橋を渡って北側には浄祐寺。
blog27.jpg

失礼ながら!なんとのどかな境内。
繁華街の寺院なのに田舎の荒(や)れ寺のよう。
スズメ(雀)が遊んでいました。

境内に五大力の碑が
墓石のように建てられています。

ここは遊女たちの信心を集めた寺。
遊女菊野をめぐる殺傷事件を題材にした
有名な歌舞伎
「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」が
あるそうですが!
不勉強でなにも知らず!恥ずかしい限り。



やはり近松作の「曽根崎心中」
お初と徳兵衛が命をかけた恋。

  恋風の
  身に蜆川 流れては
  その虚貝(うつせがい) うつヽなき
  色の闇路を 照らせとて
  夜毎に燈す 燈火は
  四季の蛍よ 雨夜の星か
  夏も花見る 梅田橋

道行きの始まりでしょうか。
その梅田橋。
blog28.jpg

今は「堂島 3」とあるだけですね。

ん?!
心中天網島の出発も梅田橋でしたか!?

曽根崎心中!心中天網島!
どっちがどっちだったやら。

不摂生と安酒におかされた脳みそがショート。
なにがなんやら。
ストーリィがこんがらかってきました。ああ。



東に引き返して
お初天神(露天神社)の境内で休みます。

お初と徳兵衛がいました。
blog29.jpg

前の丸い石は
難転石(なんてんいし)という不思議な石。
いつも自ら!コロコロ回っています。

輪廻転生(りんねてんしょう)
禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如し。
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