SSブログ
絵に描いたどじょう地獄 ブログトップ
前の5件 | 次の5件

待兼雪花菜(まちかねから)とは?! [絵に描いたどじょう地獄]

深夜にふと思い立ちました。

味噌漬けを作ろう!

ねむけまなこ!
たぶん!意識が半分飛んでいたと思うのですが。
いつも夢遊病者のような人生ですから。あは。

冷蔵庫に酒粕がたくさんあります。
ハイキングの途中で
酒蔵に寄るたびに求めていたからです。
高価な地酒は買えないけど酒粕は買えたのです。

まだ大台ヶ原の田舎味噌があります。
その味噌と酒粕を思いつきで混ぜ合わせてみます。

京の錦市場から持って帰った奈良漬けを取った後の
二番粕も残っていたので加えます。

おお!指が冷たい!

みんな冷蔵庫で長い間!冷やされていますから。



粉末のおからをガーゼに包んで漬けました。

昭和 10 年(1935)発行の
林春隆著/新撰豆腐百珍/に
「待兼豆腐滓」というレシピがあります。

「まちかねから」とルビがふってあります。

桶の底におからを敷いて
その上に味噌を仕込むのだそうな。

味噌は熟成して
上から消費されていき
最後に味噌漬けになったおからを食べるというもの。

長時間「待ちかねた」「おから」ということらしい。

唐辛子や生姜(しょうが)といっしょに漬けておき
食べるときに山椒やら胡麻やら薬味を混ぜるようですが。



この「まちかねから」
かなり古い料理だったようで
明治 38 年(1905)発行の
藤村棟太郎編/豆腐鶏卵料理法/にも記述が。
漢字は「待兼雪花菜」となってはいますけど。

さらに
明治 22 年(1889)発行の
平山彬著/新撰豆腐百珍/の
「待兼雪花菜」のレシピもほぼ同じ。

ということはみなさん
先達のレシピをそのまま書いているのですか。

天明 2 年(1782)発行の
醒狂道人著/豆腐百珍/まで
さかのぼれるのでしょうか。

醒狂道人著/豆腐百珍は
私の手元に手書きで写した
頼りないレシピしかないのですが
百種の中に「待兼豆腐滓」は見当たらないような。



鶏肉の砂ずり(砂肝)を茹でて冷まして
ガーゼでくるんで
味噌と酒粕と二番粕の床の
おから漬けの上に漬けました。

残っていた干し柿も。

1 週間近く「待ちかねて」取り出しました。
blog粕漬け.jpg

おからはだめですね。

やっぱり!
1 年くらい漬けておかねばならないのでしょう。
先人のいう薬味もないので
田舎味噌を混ぜて食べましょうか。

干し柿も浅いですが
砂ずりはなかなか。
スライスしてもこりこりとした食感がすてきです。



ん?!
なにか漬けて!忘れていました。

田辺大根の干し葉?!

酒粕と日本酒と塩で床を作って漬けていました。
いつから漬けていたのか
にわかに思い出せないのですが
半年は経っていないはず。

あめ色になっていて
かめば塩辛い!
でも!おいしい!?

水で塩出し半日。
繊維だらけですので細かくきざんで
オリーブ油で炒めます。

塩味をみながら香りづけ程度の醤油と
砂糖と振ってみます。

冷やごはんを電子レンジであたためて
鶏卵を混ぜようと思ったのですが
玉子がありません。はは。
マヨネーズをごはんに混ぜてから
フライパンで炒めて
炒めた大根の葉を炒め合わせましょう。
blog粕漬け2.jpg

これはおいしい。
なにを食べてもだいたいおいしいという
しつけのいい私ですが!おいしい。



(敬称略)
タグ:田辺大根
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

スペアリブの酒粕漬け 酒粕煮 [絵に描いたどじょう地獄]

京都の錦市場から買ってきた二番粕
つまり!奈良漬けを引き上げた後の粕。

豚肉スペアリブを漬けてみました。

肉に塩を軽く振ってから
二番粕をまとわせ
3 日間冷蔵庫に保管しておきました。

粕をぬぐって
フライパンにオリーブ油を敷いて
焼いてみます。

肉が厚いので外側が焦げるだけですね。

電子レンジで加熱しましょうか。

二番粕を日本酒で伸ばして加熱し
醤油やら塩やらテキトーに調味料を加え
ソースを作りました。
blog豚粕1.jpg

なかなか!すてきな料理です。



煮たらどうなります?!

江南にやってきた永福人の家庭教師。
毎食事に炒糟ばかり出されます。

炒糟とは酒粕を炒めたものだとか。

大きな丼に入れられていたのですが
先生!その貧寒なおかずにハラを立てて
残らず!わんこに食べさせていました。

実は酒粕の中に肉が入っていたのです。

わんこはうれしかったでしょう。

南宋(1127 ~ 1279)の
張致和撰/笑苑千金/松枝茂夫訳/にのっていた
炒糟下飯という笑話。

「炒糟」とはどんな料理。
肉が隠れるほど
酒粕を使用することだけは分かりますが。



二番粕漬けのスペアリブをフライパンで焼きます。

表面がすぐ焦げます。

ここに酒粕を炒め合わせるのですか。
無理です!私の技量では。

鍋に移して
日本酒を注して
酒粕をちぎって入れて煮ます。

塩味が薄いので
白醤油やら塩やら加えてみます。

なにかできました。
blog豚粕2.jpg

肉がほどよい食感。
おししいじゃないの!

ただし!
これが「炒糟」かどうか分かりません。
たぶん!
まったく似ても似つかないものでしょうけど
おいしかったから!よしとしましょう。



(敬称略)
コメント(4) 
共通テーマ:グルメ・料理

東海道中膝栗毛の味噌べったり焼き生姜 [絵に描いたどじょう地獄]

十返舎一九著/東海道中膝栗毛/三遍/に

「味噌べつたり焼せうがといふおとこ」

という形容が出てきますが。

「味噌べったり焼き生姜」という男?!

どんな男なんですか。

つづいて
「しょうどはなし」の表現がありますから
根性のない男のことなんでしょうけど。



あ!根性?!

「根性がない」
「じょうがない」
「しょうがない」
「生姜ない」

と!つづくんでしょうか。

でも!生姜はあって
味噌もあるんですから違いますか。



私が無知なだけで
「味噌べったり焼き生姜」という料理は有名なんですか。

上流社会や
高級レストランではメニューにあるのかな。

ま!いいです!

生姜を焼いてみます。

焼き方にもいろいろあるでしょうけど
フライパンにオリーブ油を少し入れて
スライスした生姜を炒め焼き。

田舎味噌を放り込み
かき回してから
私の好みで青ネギを入れましたが。
blogみそ生姜.jpg



味噌べったり?!

生姜は焼いたり!味噌をからめたりしたら
生姜のぴりっとした辛味の
角(かど)が緩和するのかな。

だから!生姜ない?!

まったく!なくなりはしませんが。

「味噌べったり焼き生姜」という男は
「辛いようで!すぐ辛味のそがれる」
情けない男ということでしょうか。
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

がんもどきのチーズ焼き [絵に描いたどじょう地獄]

「がんもどき」を大阪では
ひろうす」とか「ひりょうず」とかいう人が
多いような気がしますが
その「がんもどき」を焼きました。

油抜きもしないで
ひとつにはチーズを!もうひとつにはマヨネーズをおいて
オーブントースターで焼いてみました。
メンドくさいもんで。

醤油をかけたらどうでしょう。
blogがんもどきマヨ.jpg

わが家のメインディッシュはこんなもんですね。
おいしくいただきます。



漢字では「雁擬き」と書いて
「雁の肉に味を似せたもの」という人がフツーですが
私は「丸」「擬き」だと思いますがね。

鳥獣や魚介のすり身を丸めたもの
すなわち「丸(がん)」だと信じています。

必ずしも「雁」ではないんでは。



それはともかく
「雁」の肉はおいしいのでしょうか。

ときは明治 13 年(1880 年)ごろ
盗ってきた雁を肴に
夜も更けるまで飲酒しているところで終わるのが
森鴎外の「雁」でしたか。

どんな料理だったかは書いていなかったような。



江戸時代の初めのごろの
料理物語(料理秘伝抄)に
「鳫(がん)」がありました。

汁!ゆで鳥!煎(い)り鳥!皮煎り!
生皮!刺身!なます!串焼き!せんば!さかびて!

なんて書いてありますが!よく分かりませんね。
もっとも!調理方法は仮名書きばかりなので
私が勝手に漢字をあてはめてみました。あは。
合っているのかどうか。

たとえば!生皮(なまかわ)は
皮のない上身の煮ものか汁ものみたいですから
この漢字が適当かどうか自信はないですがね。

鴨も雁も他の鳥も
この本では
調理方法にそんなに違いはないようなのですが。



お寺の裏の竹やぶで老住職が
こっそり雁の料理にかかっていたところ
檀家の男に見つかってしまいました。

住職はあわてて
「この鳥の羽根が欲しいのじゃ」と
とっさにいいわけを口にしました。

「この鳥の羽根の枕が痛風にきくんじゃ」
「欲しいのは羽毛だけ」

すると男は
「私がやってあげましょう」といって
雁をひったくって
バリバリバリと羽根をみんなむしり取り
「残骸は私が処分しておきます」と
不要(?)な本身は持って帰ってしまったとか。

めでたし!めでたし!?

料理物語と同時代の
寛永 13 年(1636 年)ごろの
「きのふはけふの物語」にありました。



夜中にふと
鴨ロースの燻製肉を思い出しました。
長い間!口に入っていませんが。はは。

では!鴨の代わりに雁!
雁の代わりに「がんもどき」で。あは。

焼き網でゆっくりあぶって
粒マスタードでいただきます。
blogがんもどきマス.jpg

シンプルがいいですね。
ただ!いい「がんもどき」を入手するだけです。



(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

あんこ好きの幾代餅考 [絵に描いたどじょう地獄]

酒好きで強くて大酒飲みと思われがちですが。
嫌いじゃないけど強くはないですね。

ビールをグラスに 1 杯で即!くらくらとなります。
試しに飲ませてごらんなさい。

くらくらとなってからが長いだけです。
朝まで管を巻いて!
アイドルから近所のおばさんやわんこまで
世界中の悪口をいって!
年長のお寺さんにまで説教(?)して!
翌日!二日酔いで苦しみます。

甘いものは苦手と思われがちですが。
日ごろ懐中不如意で買い食いしないだけで
食べろと差し出されたらぼた餅のみっつやよっつ
即!完食しますよ。
試しに食べさせてごらんなさい。



そう!あんこ!
あずきやささげで作った甘いあんこ!好きです。

冷蔵庫にいつのものか分らん餅がありました。
他に食べるものもないので
焼いて
缶詰のあんこをのせて
これでお中元に到来していた赤ワインを
寿司屋でもらったあがりの茶碗で 2 杯も飲んで
ディナーといたしましょう。
blogあんこ1.jpg



古今亭志ん生(5 代 1890 ~ 1973)の得意ネタに
「幾代餅」がありますね。

「おれが行ったらな」
「あんをうんとつけやがってね」
「毎度ありがとうありんすなんていいやがってよぉ」
「おりゃぁ!うれしくなっちまってな」
「ゼニをおいて餅を忘れてきた」

元吉原の絶世の美女・幾代太夫が餅屋になったのですね。

この噺(はなし)の餅は
焼いたものにあずきのあんをまぶしているようです。



狂歌江戸名所図会(1856 年)には

入口に掛けたる太き縄すだれ
ねじりてちぎり出す幾代餅

なんてあるそうです。
これは搗(つ)きたての餅のような気もしますが。

喜田川守貞(1810 ~ ? )著/守貞謾稿/にも
記述がありました。

幾世(幾代ではないけど)餅は
「両国と神田見附内とにあり」
「はなはだ粗制なり」とか。
下品な食べものでしょうか。

さらに
「天保(1830 ~)中」に
「大坂心斎橋南詰」に
江戸より学んだ幾世餅店がオープンしたとあります。
この餅は「美制なり」だとか。



落語の舞台は元禄(1688 ~ )のころ。

狂歌江戸名所図会も守貞謾稿も
100 年以上も後のこと?!

そのころになると
幾代餅または幾世餅の名はひとり歩き?!
全国に類似品の店だらけになっていたのでは。

味も形も製法も野放しだったのかも。



幾代餅なんて今はどうなんでしょう。
幻の食べものでしょうか。

餅やごはんにあんこをまぶすのなら
スパゲティにのせても。
blogあんこ2.jpg

幾代スパ、、、文句あります?!
ま!お試しあれ。
はは。
おいしい、、、です。

フランスパンなんていかが。
blogあんこ3.jpg

幾代バゲットです。
おフランス人になった気分。
私はね。



そうそう!
奈良県のJR(近鉄)王寺駅前のインド料理店の「 Mayur 」に
あんこ入りのナンがありましたよ。
blogナン.jpg

事情があって(早いはなし!金欠で)
まだいただいていませんが。

インドの幾代餅!
もしかしてインド人もあんこ好き?!



(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理
前の5件 | 次の5件 絵に描いたどじょう地獄 ブログトップ