山寺でそげそげ！

「おい！」

軽乗用車を停めていきなりどなるヤツが！

「弘仁寺（こうにんじ）？！」

奈良の山寺の
「高樋の虚空蔵さん」の近くです。

むっ！

無視して歩を進めていたら
「待て～！」
「弘仁寺！？」
怒って降りてきました。

“ そこの山の中じゃないですか！”

「上り口？！」
60 歳前後かな。
やけに怖い顔を作っている男です。

“ 周囲になんか所かありますよ ”

「駐車場！？」
名詞しかないのか！こいつの日本語は。

“ いくつかあるようですよ ”

「どこが近いんや！？」
「え！？」
「え？！」
「どこやぁ！」
「どこやぁああ！」

なんだぁ！むかつく！

こんなやつ！死刑！
生かしておいて日本の明日はない。

カマキリの断食明けみたいに痩身で
身長はあまりありません。
くるまの中は老女と幼児だけだし。

勝てるな！

もし！殴りかかってきたら、、、？！
膝か金的を蹴ろう。

蹴れなかったら！どこかつかんで！体落とし。
つかめなかったら！張り手かクローズライン。

遠慮はやめて！湿田にたたき込もう。
よっし！大丈夫！

“ おんどりゃぁ～！なに人じゃぁ！”
“ それがものを尋ねる日本語かぁ！”

後からＦ代が
“ そげ！そげそげ！”

“ 駐車じょぉお？！駐車場いらんように！”
“ ボロぐるま！池に沈めちゃろかぁ！”

“ ついでに池の泥にさかさに突き立てて！”
“ 犬神家の一族にしちゃるけん！”

“ そげそげ！”

“ チェンマイ仕込みの ”
“ どかたオカマをなめんなよぉ！”

“ そげそげ！”　（あのね！ここは！少しは否定してよ！）

ザックを肩からはずしてＦ代に渡し
背伸びしながら
“ アデランスをむしって！”
“ ドタマを冷やしちゃろか！” と叫びました。

断食明けのカマキリは
大急ぎでくるまの頭を草むらに突っ込んで
方向転換して
枯れ草をまとって引きずりながら
幼児の悲鳴を乗せて
猛スピードで逃げていきました。

路肩！すれすれ！
田んぼに落ちても知りませんよ。

吠える犬は
自分より大声の犬におびえるとはいいますが。

でも！怖かったよ～！

途中から怖くなりました。
アメリカだったらピストルが出ていますよね。
香港だったらカンフーの達人かも知れない。
ドキドキものでした。

あまり無謀なことはしない方がよろしい。


（ここが弘仁寺ですよ！もう遅いですが）

ところで
なんですか！
“ そげそげ！” は。

“ あんたが東映（映画）の ”
“ ヤクザ（言葉）になるから ”

ああ！
広島抗争のつもり、、、がね！ちょっと変だったかな？！

“ そうじゃけん！私も広島弁だよ ”
“ そげそげ！は松下奈緒がゲゲゲの女房でいってたよ ”

あのね！
ゲゲゲは出雲（いずも）弁か
伯耆（ほうき）弁かの、、、はずですよ。
広島とは関係ないでしょ！

“ え！？出雲は広島県じゃないの！？”

泥田にさかさに突き立てて頭を冷やしてあげましょうか。


（これは“ ほとんど ” フィクションです）
（関係者がいたらごめんなさい）
（敬称略）