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蒜山のジャージー牛とワイン [みんなで歩けばこわくない]

「お嬢さま!泣くのはおよし!」
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「男のひとりやふたり!」
「あきらめよ~ね!あきらめだけが人生さ!」

「だれがやねん?!」
「牛さんを見ていただけなのにぃ!」

おお!ニセお嬢さまでしたか!
ホントだ!ジャージー牛がいます!
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今年は放牧場にいましたね。
昨年は避暑していたのか
姿がなかったのですが。

1 年ぶりに
岡山県北
蒜山(ひるぜん)高原を歩きました

10 人できたのですが
サイクリングロードをトレースするだけですから
迷うことはないので!みんなマイペース!

自分の趣味と体力と食べ歩きを考えて
バラバラに歩いています。


それで最初にもどります。

広い牧場の片すみに上品な後ろ姿!
さぞや若くて美しいお嬢さま。
ヨヨと泣けば絵になりますね。

詩歌のひとつも浮かぶかな!と近寄ったら
年増かよ!(冗談ですよ!ごめんね)
いつものハイキングの相棒でした。

「なによ!じゃま!あっちに行ってよ!」

「そんな冷たいことを」

「あなたを探して」
(笑福亭仁鶴の声色で)
「艱難辛苦(かんなんしんく)はいかばかり」
「今ここで出会いしは」
「うどんげの花咲き見えたる心地して」

無理矢理!同道となりました。

ああ!これがジャージー牛。
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3 歳でこのバスト!
でも!ホルスタイン種のように垂れぎみではなく
大きいけど形のいい乳房。

「乳搾(しぼ)りさせてもらったら?!」
「おっぱい!大きくなるかもよ!」

「うるさい!」
「あんたこそ!直接!乳首を吸わせてもらいなよ」
「オカマとおっぱい!いい写真撮れるよ」

怒っちゃ!や~よ。

いいなぁ!高原の秋は。
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着いた途端!
伸び伸びした景色に
最長老のおじいさんが
「ここに住みたいなぁ」なんていっていましたが。

「酒屋も居酒屋も焼きとり屋もありませんよ」

「自転車でどのくらいでスナックがあるの?!」

知りませんよ!
基本的に
住む資格がないような気がしますが。

恋はまた都会でするとして
ワイナリーで山ぶどうの地ワインを飲もうよ。

山に向かってひとりで乾杯している
後ろ姿が美人(前から見ても美人だよ!)の相棒。
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う~ん!
やっぱり!寂しそうですね。
絶対!ふられているよ。

ワインを飲みながら
みんなを待っていたのですが
だれもきませんね。

こないはずです!
ジャージー牛を長時間見ていたので
一番後になっていたのです。はは。

ず~っと最後尾を離れて歩いていた
朝から酒を飲んでいた
酔っ払いのご老体ふたりが
実はいつのまにか一番前に行っていたり。

高原の秋風の中。

詩も歌も浮かばず
恋も忘れて
ただ!ワインに酔っているだけ。
それでいい。

(敬称略)
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