崇徳院 赤チン塗られた [はなしのはなし 食えぬ梨]
「ああ!だれかこないもんかな。
「暇で!ひまで。
「だれかきたらつかまえて
「半日は相手にさせてやろう。
「ああ!おばあさん!
「だれかきたら羊羹でも切って
「お愛想でもいっておくれ。
ご隠居!いてはりますか」
「おお!おお!町内一お調子もんの!
「いや!陽気もんのき~やんか。
「おはいり!おはいり。
お忙しいのでは」
「全然や!暇で!ひまで。
町内一もの知りのご隠居に」
ちょっと教えてもらいたいことがあって」
「おお!よくきてくれた。
「なんでも知らぬことはないと
「みながいうてくれとるがの。うほほほ。
「ま!学問は好きで
「本は若いうちから
「ひとの 100 倍は読んできたからな。
高津(こうづ)さんに行ってきましてん」
「仁徳テンノさんが民のかまどの
「煙をごらんになったとこやの。
境内で落語会をしてました」
崇徳院(すとくいん)を聞いてきました」
百人一首の崇徳院の歌」
ご隠居!当然ご存知ですよね」
「も!もちろんじゃ。
「百人一首でも般若心経でも
「みっつのときにはそらんじておった。
その意味を教えてもらいにきました」
「ああ!今日は忙しいから!
「残念やけど!そのうちにな。
お暇だったのでは」
「急に予定を思い出したんじゃ。
おじいさんは暇!ひま!」
き~ちゃん!羊羹切ってあげるから」
なん時間いててもいいよ」
「ばあさん!おまえはなにをいうのや。
「ホントにもう。
●
崇徳院さんとは男ですか!女ですか」
「そんなことも知らんかえ。
「ジョーシキやな。
そんで!どうなんです?」
「そ!そりゃ!もう!女性や。
「すと・クイーンといってな
「クイーンは女性やな。
すと・クイーンさんだしたか」
「この前の日曜日に
「のびのびそばのカマ番のタケシがきてな。
「あの日の競馬のクイーン杯な
「3 5 がデカパイひ~ちゃんのお好み焼き屋の
「鉄板より硬いというもんやさかい
「わし 3 千円託したんや。
「お茶でも飲めと 500 円やったがな。
儲かりましたか」
「スコーンと大はずれ!
「気分が悪いことを思い出したから
「はい!今日はさようなら。
そんなぁ」
き~ちゃん!羊羹をお食べ」
帰らんでもええよ」
「おまえはそうなん度も出てくるんじゃ。
●
簡単でええから歌の意味!お願いします」
「ど!どんな歌やったかいの。
ご隠居!知らはらしまへんの」
「知っとるけど!き~やんの口からいうたら
「き~やんがよく理解でけるさかいな。
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の」
われても末に あわんとぞ思う」
そんな歌だした」
「そうそう!それじゃ。
「せをはやみ!な。
「せをは!やみじゃな。
どういう意味で」
「やいやいいうたらあかん。
「こ!これからいうがな。
「せは背中!をは尾っぽ!
「背中としっぽとをやむんじゃな。
やむとは?」
「病気じゃ!
「背!尾を病んでいたということじゃ。
だれがです?」
「ぷ~ちゃんやがな。
だれです?ぷ~ちゃんとは」
「毎朝ちんころばあさんが散歩している犬や。
「顔がフレンチブルで胴が柴犬の。
「ばあさんが産んだとしか思えない犬。
「ばあさんはぷ~ちゃんと以心伝心!
「ぷ~ちゃんは賢いから
「ママのいうことをちゃんと聞くそうな。
「ばあさんは自分のことをママというとる。
「拾い食いはしない!
「他人から食べものをもらわない!
「ムダ吠えはしない!とママがいうのじゃが。
「左官のカマやんが
「すえた臭いのするあんパンを持っていたら
「ぷ~ちゃんがくれ!くれ!というて
「ばあさんの見ていないうちに食べたがな。
「それから!カマやんを見るたびに
「くれ!くれ!いうとるな。
「この前は薯蕷(じょうよ)饅頭の
「底の経木まで食うてしもうたがな。
ご隠居!いつの時代のことです?」
崇徳院の時代はいつです?」
「やいやいいうたらあかんよ。
「歌舞伎の中村勘三郎なら 18 代や。
「ぷ~ちゃんかて代々いててもおかしない。
おかしない!いわれても、、、」
「はい!おしまい!分かったやろ。
「今日はおしまい。
●
全然!分かりまへん」
なんで!ぷ~ちゃんが病むんです?」
「マダニがな!
「背中としっぽに食いついたんや。
「その後をかきむしったのでただれた。
「そこへ赤チンを塗ってもらっておる。
赤チン!?」
「看護師のミネちゃん!知っとるやろ。
還暦過ぎたおばちゃん!?」
梅毒のちんちんを」
素手でつかんだという伝説の看護師の?!」
「そうや!病院の古い倉庫から
「赤チンがぎょうさん見つかったんや。
「今の 2 代目の院長は
「ドスケベでドケチやから
「今は一般に売られていないから
「それをカネにできんもんかと!
「ネットで売れんもんかといい出したんや。
「それを聞いたデリバリーキングがな。
デリバリーキング?」
弁当の配達屋さんだすか?」
「デリバリーといっても女体の配達や。
どこに?」
「女に飢えた男の自宅に届けるんやな。
なんのために?」
「おはなししたり!即席の恋愛したりじゃ。
「いっぺんでんわしてみ!すぐ届けてくれる。
「あ!初めに好みをよくいっておかねばならん。
「気に入らんかったらチェンジできるかどうか
「よく確認しておいたほうがええぞ。
「チェンジ料がバカ高い店があるからの。
「よくいえば
「その道のオーソリティ!在野の研究家。
「ま!俗っぽくいえば好きもののエロおやじの
「ひと呼んでデリバリーのキングのじいさんが
「その赤チンを
「100 本ばかり買(こ)うたらしい。
「金魚の傷口の治療だというとるが
「たぶん!また妖しい遊びを考えとるな。
「赤チンなら
「ちんちんに絵が描きやすいというとった。
「ぷ~ちゃんはそれを塗ってもらっとる。
「はいはい!解決。
ご隠居!まだ頭の 5 文字だけですがな」
「今日はおしまい。
き~ちゃん!お茶替えたげるわ」
「どうして!おまえは出てくるんじゃ。
●
赤チン塗ったぷ~ちゃんが」
岩にせかるるとはなんですか?」
「岩は!その~!岩おこしじゃな。
岩おこし~!?」
「知らんのか!粟おこしのさらに硬いの!
「そこでや!粟おこしというけど
「粟はひと粒も使ってないぞ。
「さつまいものでんぷんで作っても
「わらび餅というがごとし!はははは。
そのレシピはまた聞きますが」
ぷ~ちゃんとの関係はなんです!?」
「やいやいいうたら説明でけへんやろ。
「岩おこしは硬い!でも食べたい。
「ちんころばあさんは歯が悪い。
「ひなたに置いといたのじゃな。
「ぬくめるとシロップや蜜がゆるんで
「柔らかくなるんじゃ。
「その岩おこしをぷ~ちゃんが食べたんじゃ。
ぷ~ちゃんは拾い食いしないんでは?」
「そんだから!叱られた。
「岩おこしで叱られたので
「岩にせかるる!ということじゃ。
せかるる!?叱られるじゃないのでは」
「叱られるを昔のことばでは
「せかるるというたんじゃ。
にわかに信じられしまへんが」
「ま!おまえさんもしんどいやろ。
「ここまでにしとこうか。
全部教えてくださいよ!今」
「無理したらあかんわい。
き~ちゃん!」
こんぺんとう(金平糖)食べる?」
ゆっくりしいや」
「ばあさん!たびたび出てこなくてもよろしい。
●
背中に赤チン塗ったぷ~ちゃんが」
岩おこしを食べて叱られて」
それから!どうしたんです?」
つぎは滝川の!ですが」
「やいやいいうたらあかんよ。
「滝川といえば滝谷不動の横の川やがな。
滝谷不動~!?」
えらく遠くじゃないですか!」
河内!それも南河内!」
富田林(とんだばやし)の奥じゃないですか」
どうして!急に南河内なんです?」
「それは歌を詠んだ人の勝手やろ。
「南河内というてあなどっちゃいけない。
「マキちゃん!知っとるやろ。
胸と尻を異常にふりふりして」
歩いているおね~さんですね」
「胸はトリンプのブラの上げ底やけど
「尻はホンモノやな。
「滝谷不動のそばの高校に
「そのマキちゃんが通学してたんや。
「大阪市内に売るほどある高校を蹴って
「南河内の高校まで行ったんや。
どうしてです?」
「校則のグンゼの白いパンツが好きやから。
校則にそんなことまでありますか?」
「あるんやから!しかたがないやろ。
「なんなら!おまえさんも
「女子に化けて入学してみなさい。
「でも!今はゼブラ模様やら
「赤と緑の玉が飛び違っているような
「ハデなパンツばかリはいとるがの。
「絵に描いたような優等生。
「親の期待通りに育って大学まで行くと
「社会に出てから 180 度変わる典型じゃな。
「遅ればせながらついに知ってしまったのじゃ!
「めくるめく快楽の世界を。
それはそうと!なんで!ご隠居が」
かの女のパンツの柄を知っとるのですか?」
「よくぞ聞いてくれた。
「おまえさんもカネのないとき
「よく!あばずれのみ~ちゃんを連れて行っとる
「ションベン小路の吹き溜まりの奥の
「40 年保健所ににらまれている居酒屋で
「句会をしてたんや。
あんな文化のかけらもないとこで句会ですか」
「勝手やろ。
「ん?!句を聞きたい?
「音もなく 欠け杯を 出す酒場
「ゆうれいの ような手でアテを 出す酒場
「なに!もう聞きたくない!?
「そのとき!酔うていたハゲのタカやんが
「愛称・ハゲタカが
「たまたまいあわせたかの女に
「パンツ!見せて!というたんや。
「そしたら間髪入れずに!かの女が
「千円!と答えたのや。
「しかも!わしのほうに振り向いて。
「いえ!それ!わしではない!と狼狽するがな。
「それでも早く~!というから
「思わず!千円出した。
「それで表に出てスカートをめくってくれたんや。
「2 秒ばかり。
「それから会うたびに千円!千円いうのや。
「パンツをやっぱり 2 秒ばかりやけど
「もう!飽きるほど見せてもらっとる。
「もう!いい!充分やけど
「見つかったら千円!千円!
ぷ~ちゃんと腐ったパンの関係と」
あんまり違いませんね」
「大蛇ににらまれたカエルのように
「金縛りにあって!千円出してしまう。
「こののがれない底なし沼の恐怖から
「助けてくれ~!おいおい。
ご隠居!泣かんといてください」
●
「滝谷不動では年中
「ドジョウの放生(ほうじょう)ができる。
「ドジョウを買い求めて谷に放すのじゃな。
「夏はともかく冬の氷の張った水は冷たい。
「ドジョウにはたまったもんじゃない。
「急いで大川の石川の渕まで下るわな。
「さらに合流しておる大和川まで泳ぎ
「今!大和川は堺に流れ落ちとるがな
「昔は河内湖に入っていたんやな。
「高台の高津の宮に立てば
「東に河内湖!西にちぬの海!つまり大阪湾!
「ドジョウは河内湖出身で
「放生のために
「滝谷不動まで連行されていたんや。
「故郷まで帰り着くということやな。
それはいいのですけど」
われても末にあわんとぞ思う!はなんです?」
「運悪く途中で捕まって
「ドジョウは開かれてしまうのじゃな。
「開くとは割(さ)く!割(わ)るじゃ。
「割れても!割られても!
「末に!つまりつぎの世には
「故郷で会いたいと思うということじゃ。
背中に赤チン塗ったぷ~ちゃんが」
岩おこしを食べて叱られて」
滝谷不動の放生のドジョウが」
開かれて、、、?」
よく分かりませんが」
「歌とか詩とかはよく分からへんのがいいのや。
●
「たぶん!仁徳さんの逸話はウソじゃな。
「今の場所に高津さんがあったのなら
「見えていた東の河内湖も
「西のちぬの海も
「アシ原と水だらけで
「その時代に民の家が並んでいるとは思えん。
「貧しい家の 1、2 軒はあったかも知れんが。
「そこでドジョウを割(さ)いて
「焼いていたのじゃろうて。
「ハラを空かせたにゃんこが
「くわえて逃げるわな。
「ドジョウは熱い!思わず水路に落とした!
「水は嫌い!
「ママのいうことはよく聞く!
「拾い食いはしない!
「そんなはずの!ぷ~ちゃんが水路に飛びこむ!
「ドジョウを食いたい一心じゃ!
ぷ~ちゃん!はしたない!」
やめなさい!」
ママのいうこと聞けるでしょ」
あんたはシャワーもお風呂も嫌いなのに」
濡れるでしょうが!」
「ぬれても末に拭(ふ)かんとぞ思う。
(上記のひとたちはすべて架空!実在しません)
(それでも自分のことのように気になる方は)
(気のせいです)
「暇で!ひまで。
「だれかきたらつかまえて
「半日は相手にさせてやろう。
「ああ!おばあさん!
「だれかきたら羊羹でも切って
「お愛想でもいっておくれ。
ご隠居!いてはりますか」
「おお!おお!町内一お調子もんの!
「いや!陽気もんのき~やんか。
「おはいり!おはいり。
お忙しいのでは」
「全然や!暇で!ひまで。
町内一もの知りのご隠居に」
ちょっと教えてもらいたいことがあって」
「おお!よくきてくれた。
「なんでも知らぬことはないと
「みながいうてくれとるがの。うほほほ。
「ま!学問は好きで
「本は若いうちから
「ひとの 100 倍は読んできたからな。
高津(こうづ)さんに行ってきましてん」
「仁徳テンノさんが民のかまどの
「煙をごらんになったとこやの。
境内で落語会をしてました」
崇徳院(すとくいん)を聞いてきました」
百人一首の崇徳院の歌」
ご隠居!当然ご存知ですよね」
「も!もちろんじゃ。
「百人一首でも般若心経でも
「みっつのときにはそらんじておった。
その意味を教えてもらいにきました」
「ああ!今日は忙しいから!
「残念やけど!そのうちにな。
お暇だったのでは」
「急に予定を思い出したんじゃ。
おじいさんは暇!ひま!」
き~ちゃん!羊羹切ってあげるから」
なん時間いててもいいよ」
「ばあさん!おまえはなにをいうのや。
「ホントにもう。
●
崇徳院さんとは男ですか!女ですか」
「そんなことも知らんかえ。
「ジョーシキやな。
そんで!どうなんです?」
「そ!そりゃ!もう!女性や。
「すと・クイーンといってな
「クイーンは女性やな。
すと・クイーンさんだしたか」
「この前の日曜日に
「のびのびそばのカマ番のタケシがきてな。
「あの日の競馬のクイーン杯な
「3 5 がデカパイひ~ちゃんのお好み焼き屋の
「鉄板より硬いというもんやさかい
「わし 3 千円託したんや。
「お茶でも飲めと 500 円やったがな。
儲かりましたか」
「スコーンと大はずれ!
「気分が悪いことを思い出したから
「はい!今日はさようなら。
そんなぁ」
き~ちゃん!羊羹をお食べ」
帰らんでもええよ」
「おまえはそうなん度も出てくるんじゃ。
●
簡単でええから歌の意味!お願いします」
「ど!どんな歌やったかいの。
ご隠居!知らはらしまへんの」
「知っとるけど!き~やんの口からいうたら
「き~やんがよく理解でけるさかいな。
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の」
われても末に あわんとぞ思う」
そんな歌だした」
「そうそう!それじゃ。
「せをはやみ!な。
「せをは!やみじゃな。
どういう意味で」
「やいやいいうたらあかん。
「こ!これからいうがな。
「せは背中!をは尾っぽ!
「背中としっぽとをやむんじゃな。
やむとは?」
「病気じゃ!
「背!尾を病んでいたということじゃ。
だれがです?」
「ぷ~ちゃんやがな。
だれです?ぷ~ちゃんとは」
「毎朝ちんころばあさんが散歩している犬や。
「顔がフレンチブルで胴が柴犬の。
「ばあさんが産んだとしか思えない犬。
「ばあさんはぷ~ちゃんと以心伝心!
「ぷ~ちゃんは賢いから
「ママのいうことをちゃんと聞くそうな。
「ばあさんは自分のことをママというとる。
「拾い食いはしない!
「他人から食べものをもらわない!
「ムダ吠えはしない!とママがいうのじゃが。
「左官のカマやんが
「すえた臭いのするあんパンを持っていたら
「ぷ~ちゃんがくれ!くれ!というて
「ばあさんの見ていないうちに食べたがな。
「それから!カマやんを見るたびに
「くれ!くれ!いうとるな。
「この前は薯蕷(じょうよ)饅頭の
「底の経木まで食うてしもうたがな。
ご隠居!いつの時代のことです?」
崇徳院の時代はいつです?」
「やいやいいうたらあかんよ。
「歌舞伎の中村勘三郎なら 18 代や。
「ぷ~ちゃんかて代々いててもおかしない。
おかしない!いわれても、、、」
「はい!おしまい!分かったやろ。
「今日はおしまい。
●
全然!分かりまへん」
なんで!ぷ~ちゃんが病むんです?」
「マダニがな!
「背中としっぽに食いついたんや。
「その後をかきむしったのでただれた。
「そこへ赤チンを塗ってもらっておる。
赤チン!?」
「看護師のミネちゃん!知っとるやろ。
還暦過ぎたおばちゃん!?」
梅毒のちんちんを」
素手でつかんだという伝説の看護師の?!」
「そうや!病院の古い倉庫から
「赤チンがぎょうさん見つかったんや。
「今の 2 代目の院長は
「ドスケベでドケチやから
「今は一般に売られていないから
「それをカネにできんもんかと!
「ネットで売れんもんかといい出したんや。
「それを聞いたデリバリーキングがな。
デリバリーキング?」
弁当の配達屋さんだすか?」
「デリバリーといっても女体の配達や。
どこに?」
「女に飢えた男の自宅に届けるんやな。
なんのために?」
「おはなししたり!即席の恋愛したりじゃ。
「いっぺんでんわしてみ!すぐ届けてくれる。
「あ!初めに好みをよくいっておかねばならん。
「気に入らんかったらチェンジできるかどうか
「よく確認しておいたほうがええぞ。
「チェンジ料がバカ高い店があるからの。
「よくいえば
「その道のオーソリティ!在野の研究家。
「ま!俗っぽくいえば好きもののエロおやじの
「ひと呼んでデリバリーのキングのじいさんが
「その赤チンを
「100 本ばかり買(こ)うたらしい。
「金魚の傷口の治療だというとるが
「たぶん!また妖しい遊びを考えとるな。
「赤チンなら
「ちんちんに絵が描きやすいというとった。
「ぷ~ちゃんはそれを塗ってもらっとる。
「はいはい!解決。
ご隠居!まだ頭の 5 文字だけですがな」
「今日はおしまい。
き~ちゃん!お茶替えたげるわ」
「どうして!おまえは出てくるんじゃ。
●
赤チン塗ったぷ~ちゃんが」
岩にせかるるとはなんですか?」
「岩は!その~!岩おこしじゃな。
岩おこし~!?」
「知らんのか!粟おこしのさらに硬いの!
「そこでや!粟おこしというけど
「粟はひと粒も使ってないぞ。
「さつまいものでんぷんで作っても
「わらび餅というがごとし!はははは。
そのレシピはまた聞きますが」
ぷ~ちゃんとの関係はなんです!?」
「やいやいいうたら説明でけへんやろ。
「岩おこしは硬い!でも食べたい。
「ちんころばあさんは歯が悪い。
「ひなたに置いといたのじゃな。
「ぬくめるとシロップや蜜がゆるんで
「柔らかくなるんじゃ。
「その岩おこしをぷ~ちゃんが食べたんじゃ。
ぷ~ちゃんは拾い食いしないんでは?」
「そんだから!叱られた。
「岩おこしで叱られたので
「岩にせかるる!ということじゃ。
せかるる!?叱られるじゃないのでは」
「叱られるを昔のことばでは
「せかるるというたんじゃ。
にわかに信じられしまへんが」
「ま!おまえさんもしんどいやろ。
「ここまでにしとこうか。
全部教えてくださいよ!今」
「無理したらあかんわい。
き~ちゃん!」
こんぺんとう(金平糖)食べる?」
ゆっくりしいや」
「ばあさん!たびたび出てこなくてもよろしい。
●
背中に赤チン塗ったぷ~ちゃんが」
岩おこしを食べて叱られて」
それから!どうしたんです?」
つぎは滝川の!ですが」
「やいやいいうたらあかんよ。
「滝川といえば滝谷不動の横の川やがな。
滝谷不動~!?」
えらく遠くじゃないですか!」
河内!それも南河内!」
富田林(とんだばやし)の奥じゃないですか」
どうして!急に南河内なんです?」
「それは歌を詠んだ人の勝手やろ。
「南河内というてあなどっちゃいけない。
「マキちゃん!知っとるやろ。
胸と尻を異常にふりふりして」
歩いているおね~さんですね」
「胸はトリンプのブラの上げ底やけど
「尻はホンモノやな。
「滝谷不動のそばの高校に
「そのマキちゃんが通学してたんや。
「大阪市内に売るほどある高校を蹴って
「南河内の高校まで行ったんや。
どうしてです?」
「校則のグンゼの白いパンツが好きやから。
校則にそんなことまでありますか?」
「あるんやから!しかたがないやろ。
「なんなら!おまえさんも
「女子に化けて入学してみなさい。
「でも!今はゼブラ模様やら
「赤と緑の玉が飛び違っているような
「ハデなパンツばかリはいとるがの。
「絵に描いたような優等生。
「親の期待通りに育って大学まで行くと
「社会に出てから 180 度変わる典型じゃな。
「遅ればせながらついに知ってしまったのじゃ!
「めくるめく快楽の世界を。
それはそうと!なんで!ご隠居が」
かの女のパンツの柄を知っとるのですか?」
「よくぞ聞いてくれた。
「おまえさんもカネのないとき
「よく!あばずれのみ~ちゃんを連れて行っとる
「ションベン小路の吹き溜まりの奥の
「40 年保健所ににらまれている居酒屋で
「句会をしてたんや。
あんな文化のかけらもないとこで句会ですか」
「勝手やろ。
「ん?!句を聞きたい?
「音もなく 欠け杯を 出す酒場
「ゆうれいの ような手でアテを 出す酒場
「なに!もう聞きたくない!?
「そのとき!酔うていたハゲのタカやんが
「愛称・ハゲタカが
「たまたまいあわせたかの女に
「パンツ!見せて!というたんや。
「そしたら間髪入れずに!かの女が
「千円!と答えたのや。
「しかも!わしのほうに振り向いて。
「いえ!それ!わしではない!と狼狽するがな。
「それでも早く~!というから
「思わず!千円出した。
「それで表に出てスカートをめくってくれたんや。
「2 秒ばかり。
「それから会うたびに千円!千円いうのや。
「パンツをやっぱり 2 秒ばかりやけど
「もう!飽きるほど見せてもらっとる。
「もう!いい!充分やけど
「見つかったら千円!千円!
ぷ~ちゃんと腐ったパンの関係と」
あんまり違いませんね」
「大蛇ににらまれたカエルのように
「金縛りにあって!千円出してしまう。
「こののがれない底なし沼の恐怖から
「助けてくれ~!おいおい。
ご隠居!泣かんといてください」
●
「滝谷不動では年中
「ドジョウの放生(ほうじょう)ができる。
「ドジョウを買い求めて谷に放すのじゃな。
「夏はともかく冬の氷の張った水は冷たい。
「ドジョウにはたまったもんじゃない。
「急いで大川の石川の渕まで下るわな。
「さらに合流しておる大和川まで泳ぎ
「今!大和川は堺に流れ落ちとるがな
「昔は河内湖に入っていたんやな。
「高台の高津の宮に立てば
「東に河内湖!西にちぬの海!つまり大阪湾!
「ドジョウは河内湖出身で
「放生のために
「滝谷不動まで連行されていたんや。
「故郷まで帰り着くということやな。
それはいいのですけど」
われても末にあわんとぞ思う!はなんです?」
「運悪く途中で捕まって
「ドジョウは開かれてしまうのじゃな。
「開くとは割(さ)く!割(わ)るじゃ。
「割れても!割られても!
「末に!つまりつぎの世には
「故郷で会いたいと思うということじゃ。
背中に赤チン塗ったぷ~ちゃんが」
岩おこしを食べて叱られて」
滝谷不動の放生のドジョウが」
開かれて、、、?」
よく分かりませんが」
「歌とか詩とかはよく分からへんのがいいのや。
●
「たぶん!仁徳さんの逸話はウソじゃな。
「今の場所に高津さんがあったのなら
「見えていた東の河内湖も
「西のちぬの海も
「アシ原と水だらけで
「その時代に民の家が並んでいるとは思えん。
「貧しい家の 1、2 軒はあったかも知れんが。
「そこでドジョウを割(さ)いて
「焼いていたのじゃろうて。
「ハラを空かせたにゃんこが
「くわえて逃げるわな。
「ドジョウは熱い!思わず水路に落とした!
「水は嫌い!
「ママのいうことはよく聞く!
「拾い食いはしない!
「そんなはずの!ぷ~ちゃんが水路に飛びこむ!
「ドジョウを食いたい一心じゃ!
ぷ~ちゃん!はしたない!」
やめなさい!」
ママのいうこと聞けるでしょ」
あんたはシャワーもお風呂も嫌いなのに」
濡れるでしょうが!」
「ぬれても末に拭(ふ)かんとぞ思う。
(上記のひとたちはすべて架空!実在しません)
(それでも自分のことのように気になる方は)
(気のせいです)
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