飛田遊郭の思い出 [通天閣が見える]
「新世界ツアー!をしているそうですな?!」
80歳を越えてもかくしゃくとした老紳士に問われました。
ツアーなんてものではありませんが
希望者が集まれば通天閣の下(通称・新世界)あたりを
何度か徘徊しました。
「なんでもや」ですから企画くらいしますよ。
「それで頼みがあるのですが」
「トビタへ付き添っていってくれませんか」
トビタ?!
飛田遊郭ですか?!
う~ん!?あちきを売り飛ばす気でありんすか~!
「土方(どかた)オカマなんか!売れん!冗談は顔だけにしなさい!」
誰が土方オカマですか?!失礼な!
「ま!うまいものとおいしい酒をご馳走しますから」
ということで
その夜!タクシーで乗りつけました。
お~!?
各店のぼんぼり?!に明かりがともり
大昔ならさぞや
「不夜城」と形容されただろうと思うほどのまぶしさです。
どうぞ!お気に入りかなじみの店にお上がりください。
私はいっぱいやっていて時間がきたらお迎えに参ります。
「いや!私も小料理屋にいきます」
「そこの美人姉妹に会いたくなって来たんやから」
「え~と!?屋号は美鈴!?いや美春だったか?!春美???!」
場所は!?
「北に向かって右だった!そんな気がする」
どの筋の北?!
「あああ!街がすっかり変わってしまっているわい!」
いつごろその美人姉妹に惚れたんですか!?
「あ~!?戦後、、、すぐやなぁ!戦前ということはない!」
ええ~!?そりゃあ無理ですよ~!
半世紀以上も前のことじゃないですか!
老紳士はよろよろと時間をかけて
不夜城を歩き回りました。
ただ歩いただけです。
老いた胸に去来するものはなんだったのでしょう。
「満足しました!ありがとう」
遅くなりましたね!今夜はもう帰りませんか!
おうちは遠方ですし!また明るいときにゴチになります。
その日は自動販売機でお茶を買って立ったまま飲んで
公衆便所でおしっこして
タクシーに押し込んで帰しました。
先日!
老紳士が亡くなったといううわさ!
あれから何年!?
老紳士と2度と飛田にいく機会はありませんでしたね。
平日の昼間!飛田にいってみました。
もう何軒か営業していました。
(片手でこそこそ撮ったので!ふらふらした画像ですみません)
昔の遊郭の建物が料理屋になっています。
ここで「鍋」をつつこうといっていたんですがね。
カァックイイ~っす!
一度はホンマもんを見たいと
ずっと思ってます
このブログに出会えて・・・ヨカッタァ
サンキュです
by アッキ (2009-11-20 15:39)
上記の写真は気恥ずかしくて
片手ですばやく撮ったので
ふらふらした映像ですみません。
今年(拙ブログ2009/07/10)
図太くなって道の真ん中で
昼と夜を撮っていますので
ご参考までにご笑覧ください。
by ほっ (2009-11-20 16:30)