武庫川廃線跡 ふたたび [うそ八百]
あんなにはしゃいでいた無邪気な人たちが
雨樋(あまどい)に積もる濡れ落ち葉のように
普通電車で重なって仮眠しています。
ハイキングの帰り道。
私は無言で彼らと別れ
ひとり途中下車して
まだ歩きます。
飽きるほど歩いた福知山線の廃線。
懐中電灯もないのに
また歩きます。
なぜか悲しみに似た
3 音節のリズムに押され
歩きます。
昔 吐息 残し 汽車が 行った
谷の 青い 風を 連れて 行った
黄泉(よみ)の 国へ つづく 見えぬ 線路
せきを しても ひとり そんな 俳句
思い 出して せきを しても ひとり
瀬音 高く 低く 若く 白く
水に 映る 雲に 罪は ないが
襟(えり)の ほつれ 毛さえ いのち 燃えた
春の ワルツ 夏の サンバ 忘れ
消えた 温(ぬく)み 夢に 濡れた タンゴ
今は 分る ぼくの 秘めた 思い
情(じょう)と 違う 恋と 違う 思い
七つ 抜けて 三つ 渡る 線路
どこへ 帰る 鳥よ 夕日 赤く
せめて 染まれ 意気地 なしの 最期
雨樋(あまどい)に積もる濡れ落ち葉のように
普通電車で重なって仮眠しています。
ハイキングの帰り道。
私は無言で彼らと別れ
ひとり途中下車して
まだ歩きます。
飽きるほど歩いた福知山線の廃線。
懐中電灯もないのに
また歩きます。
なぜか悲しみに似た
3 音節のリズムに押され
歩きます。
昔 吐息 残し 汽車が 行った
谷の 青い 風を 連れて 行った
黄泉(よみ)の 国へ つづく 見えぬ 線路
せきを しても ひとり そんな 俳句
思い 出して せきを しても ひとり
瀬音 高く 低く 若く 白く
水に 映る 雲に 罪は ないが
襟(えり)の ほつれ 毛さえ いのち 燃えた
春の ワルツ 夏の サンバ 忘れ
消えた 温(ぬく)み 夢に 濡れた タンゴ
今は 分る ぼくの 秘めた 思い
情(じょう)と 違う 恋と 違う 思い
七つ 抜けて 三つ 渡る 線路
どこへ 帰る 鳥よ 夕日 赤く
せめて 染まれ 意気地 なしの 最期
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