夏に冷めて湖北 [うそ八百]
鳰(にお)の 湖(うみ)の 波の 音を 踏んで
春に 覚(さ)めて 旅の 経(きょう)は 三部(さんぶ)
白い 妖精(ニンフ) 追えば 青い 無限大(インフ)
夏に 冷(さ)めて 霞む 島は 竹生(ちくぶ)
虎落(もがり) 笛は 胸の 奥に 消えて
愛は 褪(さ)めて 明日(あす)の ゆくえ 探す
魞(えり)を 抜けて 芦(あし)の 吐息 かすれ
恋は 醒(さ)めて 空に 夢を 放す
かめば 伊吹 山の ねずみ 大根(だいこ)
桑実(つばめ) 熟(う)れて 捨てた 時が 染まる
酔えば 遠い 鮒(ふな)の 寿司の 匂い
帆かけ 舟は 過ぎて 鮎子(ひうお) 光る
漢(おとこ) たちは 走り 去って いずこ
春に 覚(さ)めて 凡夫(ぼんぷ) 飢えて 哀れ
生まれ 出(いづ)る 悩み 産んだ 悩み
夏に 冷(さ)めて 湖北 泣くな 歌よ
夏に 冷(さ)めて 湖北 泣くな 人よ
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