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かきつばた!永遠に [解語の枯れ尾花]

わが家の庭の桃ケ池にも
キショウブ(黄菖蒲)が咲く季節になりました。
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この帰化植物だけは植えてはいけません。

咲くなといっても咲いて
毎年モーレツに勢力を伸ばし
やがて他のアヤメの仲間を駆逐してしまいます。



アヤメに似た花の咲くものは
どれも同じ性質だと思っているおとなが多く
こどもたちの方が疑問を感じて質問してきます。

この仲間はややこしいのです。

やがてこどもたちも長じて
やっぱり親のように
「どうでもいい」おとなになるのでしょうけど。

だいたい
「アヤメ」も「ショウブ」も「ハナショウブ」も
「カキツバタ」もみんなまとめて
「ショウブ」と呼んでいる人が少なからずいます。

「ショウブ」も「アヤメ」も
同じ漢字「菖蒲」を当てるから混乱極まります。



しょうぶ湯に使う「ショウブ」は
サトイモ科で(ハナショウブはアヤメ科)
観賞するほどの花は咲きませんから
まず区別しなければならないでしょう。

ところが「ハナショウブ」を
「ショウブ」と略していう人がいて
こどもたちの中には「ハナショウブ」を
風呂に入れるものと勘違いするものも出てきます。

「ハナショウブ」といえば
花の季節に花壇に水を引いたりするものですから
やっぱり大きな花を咲かせるジャーマンアイリスも
水を好むのだろうと考えて栽培した人が
根茎を腐らせていました。

アヤメやジャーマンアイリスは
昔はわらぶきの屋根のトップで咲いていた
イチハツを遠い先祖に持つのか
乾燥地がいいのですね。



式亭三馬作/(柳髪新話)浮世床(二編巻之下)に
「色恋とひとくちに云ふけれど」
「色と恋とは」
「菖蒲(あやめ)と杜若(かきつばた)ス」
との会話がありますが。

たとえたアヤメとカキツバタ!
どういう意味なんでしょうか。
江戸時代のことですが。

カキツバタ(杜若)は湿地!
年中!湿地で生きています。
(ショウブも湿地の植物ですが今は論じませんが)

案外作りやすい植物です。
水を張っておくだけでいいのですから。
でも!花の季節以外は実につまらん!ですよ。



住吉大社の東南の鳥居から出てすぐに
末社の浅沢社(あさざわしゃ)があります。
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毎月の「はったつさん(初辰まいり)」の
参拝ルートの 1 社というくらいの認識で
普段は通り過ぎるところなのですが。

奈良の猿沢
京都の大沢と並ぶ
カキツバタの名勝だったそうです。
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万葉集に詠まれるほど昔から
「忘水」という湧水があって
浅沢池と称する大きな湿地があったらしい。

昭和の初めに湿地は消失してしまいました。
たぶん!人間が破壊したのでしょう。

ようやく最近になって
カキツバタの池が復元されたようです。
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湿地!池!沼はやがて干上がり森に変化していくと
地学かなんかの教科書に書いてあったような。

湿地とともに消える運命のカキツバタに
哀愁を感じている方が
私には似合っているのでしょう。
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