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樽屋おせん 天満堀川のまぼろし [わが街・大阪ブギウギ]

中之島公園の中のバラ園にある
「ばらぞの橋」から南を見れば土佐堀川
北に向けば堂島川が流れています。

文に書いたらなんのこっちゃ!
ふしぎな橋ですが
橋が土佐堀川と堂島川を結ぶ
運河(?)の上にあるからなんですが。

堂島川の向こう岸に
川の取り入れ口か
出口のような跡が見えます。
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そばに行ってみると
たしかに川の跡のような。
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上に水門を操作するようなものが。
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すると!
暗渠(あんきょ)になっているのでしょうか。

太平橋と書かれた親柱が 4 基あります。
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明治 18 年(1885)の地図を見ると
天満堀川の出口のようです。

現在はすべて埋め立てられていますが
その上部に
阪神高速道守口線を建設されていますから
不案内の他国のものは
それをたどればいいようです。



ほぼ真北に延びている高速道を追えば
「樽屋橋」の親柱がふたつ。
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ここですかぁ!
ここが「樽屋おせん」の舞台ですか!

井原西鶴の「好色五人女」は
5 人の妖女が描かれていますが。

「お夏・清十郎」
「おさん・茂兵衛」
「八百屋お七・吉三郎」
までは思い出せるのですが
あとふたりはすぐ忘れます。

その忘れているうちのひとりが
「樽屋おせん」ですね。

好色五人女では
普通の女だったおせんが悪女に変身して
糀屋と不倫して果てる脚色ですが
西鶴が参考にしたかも知れない
歌祭文(うたざいもん)では
おせんはまったくの善人!
被害者となっているようです。

もっとも歌祭文とは
門づけ芸人が歌って歩いた歌詞ですので
どこまでホントかどうか。

いずれにしろ私には
おせんに悲しいさだめを感じます。
合掌。



国道を横切るところに堀川橋の交差点。
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橋の欄干があります。
お~!のぞくと
水の代わりにくるまが流れています。
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ん!?
ここで天満堀川を
「堀川」というのに気づきました。

大坂(大阪)に掘って造った川!
すなわち堀川はいくつあるのでしょう。
あったのでしょう。

東横堀川!西横堀川!阿波堀川!道頓堀川!
江戸堀川!京町堀川!海部堀川!長堀川!
立売堀川!薩摩堀川!土佐堀川!
その他にも堀川の名はついてないけど
堀江川とか曽根崎川(蜆川)等々も。

そんな多くの堀川があるのに
どうして天満堀川だけ
「堀川」と省略して呼ぶのでしょう。

さらに北上すれば
堀川戎(ほりかわえびす)神社。
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やっぱり天満堀川戎神社とはいいませんね。

新型コロナウイルス禍で
えびすさまもマスクをしていました。
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高速道の下に残されているものがあります。
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橋の遺物でもないような。



扇町公園が見えてきました。

ん!?
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夫婦池?!
ただの水たまり!?
このあたりに池があったようですが。

綿屋橋があります。
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橋の下はやっぱり!くるまが走っています。
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初めは堂島川からここまでの
入り堀だったようです。

新しい部分は
ここから北東に曲がっています。

東に曲がったので
天神橋筋商店街と交差します。

交差するところに夫婦橋が。
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レプリカでしょうけど。



この先にはなにも発見できませんでした。

大川(旧・淀川)に出ました。
blog45.jpg

このあたりから水を取り入れ
また大川(堂島川)に
返していたのでしょうか。
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大川の都島橋から目をこらしても
痕跡を探せませんでした。



(井原西鶴作/好色五人女/東明雅校注)
(松村博著/八百八橋物語/)参照
(敬称略)
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