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桃太郎 おじいさんは川へ洗濯に [はなしのはなし 食えぬ梨]

おじいさんが山へ柴刈りに行けば
おばあさんは川に洗濯に行きました。

そこへ上流から桃の実が流れてきました。

桃というと白桃のような水蜜桃系の
大きくて甘くてみずみずしくて柔らかい
別れて久しいあの人のあそこのような
あそこといっても!ま!あそこですが
そんな果実を思い浮かべますが
このおばあさんの時代には
そんな桃はありません。

たしかに古代遺跡から桃の種が出てきたり
古事記にも記載はありますが
現代のような果実ではないような。

そもそも “もも” は “くだもの” の総称。
酸っぱいものは “すもも”
山にあるから “やまもも” なんてね。

今!日本人がまず!思い浮かべる桃は
“けもも” です。
表面に毛があるから “けもも” !
“けもも” は日本原産という人もいますが。

いずれにしろ
水蜜桃系の導入は明治以降ですから
おばあさんが拾ったのは小さな桃です。



「おじいさん!桃が流れていましたよ。

よかったね」

「ふたりで半分こして食べましょう。

いや!半分にするには小さ過ぎる」
おばあさんの好物だから」
ひとりで食べなさい」
わしはドジョウ汁でいい」

翌朝!顔を洗おうとした
おばあさんはびっくり!
若い娘がいます。

さてはおじいさんの愛人か!
おばあさんは興奮して
おじいさんをゆり起こします。

おじいさんも驚きました。
おばあさんが見たものは
水鏡に映った自分の顔だったのです。

桃を食べておばあさんは
嫁入りしたころの姿に返っていました。

おじいさんとおばあさんに
青春がよみがえりました。

おじいさんは桃を食べなくても大丈夫。
男は若い女を見れば
すぐ青春がよみがえるものなんです!
知らんけど。

そして男の子が生まれました。

“桃太郎” と命名されました。



桃太郎はすくすく育ちました。
おばあさんはいつまでもみずみずしい。

「お!おまえの女房!
「きれいじゃないか!しばらく預かるぞ。

おやめください!お代官さま」

「ええい!うるさい!
「文句があるなら
「未納の年貢を払ってからいえ!

桃太郎!大変じゃ」
おかあさんを盗られた」
困ったねぇ!どうしよう」

「おとうさん!
「こんな理不尽なことはもうごめんです。
「村中の女を!ま!しわくちゃをのぞいて
「年貢のかたということで
「代官が集めているじゃないですか。

「年貢だって無理難題ばかリ。
「鬼です!代官は鬼です。
「わたしももう 15 歳!
「鬼を成敗しに行きます!行かせてください。



桃太郎さん!イヌのシロです」
おともに連れてってください」

「ついてきても!ごはんもないよ。
「米はみんな代官が持って行ったから
「キビの団子しかあげられないよ。

それで十分です」
こどものときに母に連れられて」
この家の前にきたとき」
おばあさんに親切にしてもらいました」
おばあさんを救いたいのです」

桃太郎さん!キジのケンです」
いっしょに行きます」
母が麦畑で卵を抱いているとき」
麦刈りが始まりました」
おじいさんはぼくたちの巣のまわりだけ」
刈らないで残してくれました」
おかげでぼくが生まれました」

オレも行くぜ!」
サルのアカだよ」
母親がこの家の柿を食べていたんだ」
黙って食べて!ごめんよな」
そこへ父親がきて!母を押し倒したんだ」
ま!母が自分から倒れたと父はいうけどな」
そしてオレが生まれたという訳だ」
柿の恩は忘れていないぜ」



まず羽のあるぼくが偵察してきます」

「お!なんだ!なんだ!ドローンか?
「キジだ!焼き鳥にするぞ~!

屋敷に用心棒の牢人ものが 10 人ばかりいます」
下男は通いにしています」
家事はさらってきた女にさせています」

代官はおばあさんに酌をさせながら」
胸元に手を入れていました」

「けしからん!
「おとうさんが毎晩磨いている乳房を!

「シロ!夜中に遠吠えしてみておくれ。

シロがウオ~ンと吠えれば
村中の犬がウオ~ン!
山のオオカミも和してウオ~ン!ウオ~ン!

「なにごとだ!?
「地球最後の日かぁ?!

牢人ものたちは飛び起きて
闇に向かって目をこらしています。

一段落した夜明け前。
キジのケンがケ~ン!とひと声!
すると!村中のニワトリが
コケコッコ~とときを告げます。

代官屋敷の門前の木のうろに
サルのアカが
ブドウや柿の実をつめています。

しばらくすれば発酵するいい匂い。
匂いにつられて牢人が出てきました。

「サルがなにかをしていたと思ったら
「酒になっているではないか!
「バカなサルだ!隠したつもりだろう。
「猿知恵とはこのことだ。
「あ~!山田氏!器を持ってきてくだされ。
「そっくりもらおうぜ。

サル酒で酔っているところへ
オオカミの遠吠え!
朝もこないのにコケコッコ~!

数日くり返したら
牢人たちが疲れてきて
ニワトリが鳴いても白河夜船!
起き出しません。



「決行だ!アカ!内側に回って
「門のかんぬきをはずせ!

闇でもよく見えて
鼻のきくシロが飛び込んで
次つぎに眠けまなこであわてている
牢人どもにかみついて
サルが縛りあげます。

夜が明けたころに
シロがにおいをたどり
炭置き場に隠れていた代官を探しあてました。
裸の体が炭で真っ黒になっております。

「へたな変装をしやがって!

違うわい」
素っ裸で寝ていて!炭置き場に逃げたら」
こんなになっただけじゃ!」

「女たちを返せ!

奥の座敷に入れている」

座敷には厳重な
二重三重の錠前がかかっております。

「鍵を出せ!

どこに置いたか忘れた」

「思い出させてやるぜ!

桃太郎は代官と牢人たちの
股間のイチモツを切り落としました。

オレの生きがいをとるな~!」
ああああ!返してくれ~!」

「ケン!イチモツを山まで運んで
「腹が減っているクマに食べさせろ。

やめて~!鍵を出す!出すから!」

「さあ!さらわれていたみなさ~ん!
「家に帰りましょう。

「米蔵の鍵も出せ!

「みなさん!男たちを呼んできて
「米を運び出してください。



あの!ちんこ!返してください」

「改心したことが分かるまで預かっておく。

それじゃ!干からびてしまいます」

「大丈夫だ!
「根元を水に浸けておいてやるぞ。
「生け花の水揚げのようにすれば
「長持ちするぜ。



「代官屋敷の連中!だいぶしおれているな。
「そろそろイチモツを返してやるか。

「まじめに生きるか!

もちろんです」

「おまえたちは
「村の用水と道のメンテナンスに精を出し
「農繁期には手伝いに行き
「村人から浄財をもらい
「静かに暮らしなさい。

「では!返す!アカ!並べておくれ。

まず!ワシから返していただきます」

代官が取るとみな受け取ります。

ああ!桃太郎さま」

「なんだ?!

こんな極小のもの!オレのじゃありまへん」

「残っているイチモツはそれしかないぞ。

桃太郎さん!あやつのモノは」
われらの中で一番の大きさでした」

「一番大きなもの!?
「おい!代官!それはなんだ?!
「おまえ!ワザと間違えたな!

これが好きだもん!」

「もう不正をしやがって。

「おい!代官宅の虎模様のにゃんこ!

わしですか!獅子丸いいまんねん」

「虎模様の猫が獅子丸とは不謹慎であろう。

そんなこといわれても」

「まぁいい!イチモツを借りるぜ。

ああ!切り取っちゃいやん」
明日!尼寺のミーちゃんと」
デートの約束があるのに」

「代官!しばらく猫のこれをつけておけ。

これではあんまりです」

「猫は代官のもので我慢しろ。

勘弁してください!人間では小さくても」
猫では大き過ぎて役に立ちまへん」
ミーちゃん!他のオスにとられる~!」

代官は根っからのスケベ人間。
夜になると発情がやみません。

すると猫の獅子丸のモノが
大きくなって右に左に武者震い。

獅子丸!大あわて。
飛びあがる!駆けだす!でんぐり返る!
猫にしては大イチモツをもてあまし
夜中に騒いでいます。

この獅子丸の子孫のにゃんこは
今も夜中に走り回ります。
これを “猫の運動会” という人がいます。



「いつまでも不釣りあいに若いのはイヤ。
おばあさんがいい出しました。

「おじいさんとおなじように年をとりたい。
「桃太郎!浦島太郎さんから
「玉手箱を借りてきておくれ。

桃太郎とおじいさんは困りました。
いい知恵がなかなか浮かびません。

「そうだ!おとうさんも若返ればいいのでは!?
「そうすれば釣りあいますよね。

「あしたからわたしとおかあさんとで
「畑仕事も柴刈りもしますので
「おとうさんは川に行って
「一日中洗濯していてください。

おじいさんは毎日川に行って
桃の流れてくるのを待つことになりました。

「今日はどうでした?!

なかなか流れてはこないもんじゃ」
上流のサルが」
柿やらブドウを流してはくれるけど」

「あれ!?
「日が暮れてきたのに!
「おとうさんが帰ってきませんね。

桃太郎は心配になって川に行きました。

おじいさんの着ものが落ちています。
着ものの中で男の赤ちゃんが
こちらを見て笑っています。

そばに桃の種がみっつ落ちていました。

「桃がみっつ流れてきたのか。
「それを全部食べてしまったのか。
「ひとつで十分だったのに。
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