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雨の季節に水無月 苗がなくても田植え [食い意地]

今年も「水無月(みなづき)」が
店頭に並ぶ季節になりました。

三角形のういろうの上に
小豆あんがのっています。
blog95水無月.jpg

これは京都の和菓子店の「仙太郎」のもの。
ひとつ税込み 227 円。
京都まで行かなくても
大阪の百貨店に出店しています。

清少納言の時代から京都では
6 月 1 日は「氷の節句」と称して
氷室(ひむろ)で保存していた
氷を食べていたようです。
もっとも上流階級だけでしょうけど。

上掲の「水無月」のういろうは
抹茶味ですから緑色ですが
基本のものは白色!
氷に見立てているようです。

と!聞いていたのに
最近!全国で
「水無月」を売られるようになると
夏越の祓(なごしのはらえ)とかいって
6 月 30 日に食べるものだと
宣伝されています。

そして!店舗によっては
5 月ごろから 2、3 か月
売られたりしています。

分からなくなりました。
考えるのがイヤになります。
考えないで!
この「水無月」で
冷たい焼酎でも飲みますか。



そもそも!
旧暦の 6 月がどうして「水無月」なの?!

旧暦の 6 月 1 日は
今年(2021)の新暦では 7 月 10 日です。

暦の入梅は立春から 135 日目。
今年の立春は 2 月 4 日
入梅は 6 月 11 日。

いずれにしても
梅雨の季節!
雨がたくさん降るのに!水無月。

広辞苑を引くと
水を田に入れる月だそうな。
水の月、、、みずのつき、、、みずつき、、、みなづき
となるのでしょうか。
それなら漢字は水月でいいのでは。

手元の歳時記では
暑さで水が涸れるので水無月とあります。
水が涸れるのが驚きで
水があるほうが平時じゃないのですか。

この季節!
稲が実の準備を始めるので
実の生る月からだという説があるのだとか。

いずれにしろ!私は信じられませんが。



日本の催事に影響を与えたと思われる
6 世紀前半ごろに書かれたとみられる
荊楚歳時記によると
「6 月 必ず三時雨あり」とあります。

三時雨とは夕立らしい。
どの村でも喜び
賀嘉雨といって祝っていたようです。

他にこの時期には
留客雨!濯枝雨!梅雨!洗車雨!
等あるようですが。

ただし!
荊楚(けいそ)があったのは
長江(揚子江)中流域。
そのあたりのしきたりか
もしくはそれを継承した隋の
長安(西安)あたりのはなしかも。

でも!
どこにも「水のない月」はないですね。



田植え時とか!また!その後にも
水の取り合いが起こります。

梅雨の晴れ間のつづくときなど
みんな我田引水!?
早く自分の田にだけ
満水にしたいと思います。

水の分配に昔から腐心してきたようですが
なんとかぬけがけをしようとして
水利紛争も後を絶たず。

それで!水路に水がなくなったので水無月。
ちょっと無理がありますかね。



月の名称でよく似た「神無月」があります。
旧暦 10 月のこと。

一般に喜ばれている説は
神々が出雲に集結し他の地域では
神が不在になる月であるからという
たぶん!出雲の国の人の主張。

広辞苑には
「神の月の意か」とあります。

水無月は「水の月」
神無月は「神の月」
なんのこっちゃ!抹茶に紅茶。

古事記・日本書紀のベースは
出雲伝説だという説が
現れたり消えたりしていますが。

日本の中心を出雲の国と考えたら
陰暦の 10 月は神有月(かみありづき)
出雲以外の地方は神無月というのかも。
とすると!
6 月は水有月が出雲以外の地方のこと。
出雲は水無月といっていたという
今考えた説(?)はいかが。

おなじ日本列島で
水のある地域とない地域があったのです。
たぶん。
他言は無用に願います。



水無月には田植えです。

去年も今年も
田植えのお誘いがどこからもなければ
寺社の催事もありません。
たぶん!催事はあるのでしょうけど
見学者は入れないのでしょうね。

自前で早苗の段取りをしますか。
と!思ったのですが
今年は籾(もみ)もありません。

黒米か古代米か忘れましたが
各種(?)混合したものが少しあります。
ハイキングの途中で買ってきたものを
白米に混ぜて炊いていたものですが。

これ!発芽するんでしょうか。
他にないから仕方がありません。

ミニミニの鉢にまいてみたら
数本!伸びてきました。
blog96.jpg

まくのが遅かったので
まだ 20cm に届きませんが
今年はこれで田植えです。

1 週間ほど様子を見て
2L のペットボトルに植えたいと思います。



(宗懍著/荊楚歳時記/守屋美都雄訳注/)参照
(敬称略)
タグ:古事記
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