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赤手拭稲荷 ぞろぞろ 深里橋の戦い [いわなが姫の丑の刻参り]

失礼ながら過疎地の公園のような印象。
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桜川公園。
JR大阪環状線の内側にある公園なのに。
地面に草が生えています。
私の家の前の公園では
人が歩いてすり切れて
土ぼこりの中にありますが。

人もいません。
休憩にいいですが
残念なことはトイレが見あたりません。

それでもしばらく休みます。
休んでばかりの人生です。



公園を南東の角から出ると
ランチどき!勤め人らしい人の
出入りの多い店舗がありました。
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「お食事処 かつよし」ですか。
表にメニューもないけど
ま!なんとかなりそうな気がして
おじさんたちにつづきます。

あんまり!高くなくて!やれやれ。
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たいていの人が
ショーケースのおかずをとって
ごはんだ!うどんだ!
みそ汁だ!と叫んでいます。

もうあんまり!おかずが残っていませんね。
「かつよし」という屋号なら
「カツ丼」に自信があるのでしょうか。
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税込み 570 円。
ま!普通の丼でしたが。
今日の私には多いぐらいの量でした。



東に歩きます。
15 分も進めばJRなんば駅や
大阪メトロの四つ橋線・なんば駅に着くはず。

細長く!大きくはないけど
存在感のある神社があります。
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赤いきれが!いや
手ぬぐいがぶらさがっています。
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あ!ここが
赤手拭(あかてぬぐい)稲荷神社でしたか。
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落語に「ぞろぞろ」という演題があります。
東京ではよく演じられる噺(はなし)ですが
元は上方落語。
この神社の前の茶店が舞台のはず。

上方落語では「ぞろぞろ」ではなく
「赤手拭稲荷」といわれていたらしい。
最近!上方では演じる人がいないのかも。

茶店の老夫婦が
貧しくても信心厚く暮らしていました。
仕入れるカネがないので
ワラジは 1 足だけ天井に吊るしていました。

ほこりをかぶっていたワラジが
突然!売れました。
すると!天井から
新しいワラジがさがってきます。

客が買うたびに新しいワラジが出現!
ぞろぞろと。
お稲荷さまのおかげ!?
ワラジはよく売れるようになり
生活が楽になりました。

それを見ていた床屋。
稲荷神社に参詣すると
たちまち!客があふれます。

床屋は喜んで客のヒゲをあたります。
すると!ぞろぞろと。
剃(そ)っても剃っても
ぞろぞろ。
新しいヒゲが生えてきます。

よくまとまとまったストーリィです。



明治 36 年(1903)6 月 12 日。
人力車夫 300 人が
赤手拭稲荷神社の境内に集結。

太平洋戦争で
なにもかもなくなっていますから
当時の神社の様子が分かりません。

たぶん!もっと広い境内だったのでは。
別の場所にあったのかも知れません。

人力車夫は気勢をあげて
道頓堀川の
深里橋(ふかりばし)に向けて進軍。

私もそちらに向かいます。

北に 10 分も歩かないうちに道頓堀川。
幸橋の上。
上流(東)を見れば西道頓堀橋があります。
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さらに向こう
住吉橋!浮庭橋とあってから
深里橋が架かっています。

当時にそんなにたくさん
橋があったのかどうか知りませんが。



吊り橋の浮庭橋(うきにわばし)に寄ります。
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いろんな植物の種子をまいておいたのですが
なんにも変わりませんね。はは。
梅雨の雨が降りつづいたら芽生えるかな。

浮庭橋の上流に深里橋があります。
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青く塗られている橋です。

そこへ人力車夫が集まり
川を通る巡航船にめがけて
投石をしたのです。

「巡航船!撃つべし!」

大阪に 1 万台とも 2 万台ともいわれていた
人力車が廃業の危機!?

新しく運行した巡航船に
客を取られていったのです。

かけつけた巡査や憲兵と大立ち回り。
車夫も巡査も道頓堀川に落ちたそうな。

100 年以上前もこの季節は暑かったはず。
みんなでなかよく水泳大会といきますか。
なかよくとはいかなかったでしょうけど。

今の深里橋は
昭和 5 年(1930)に架橋されたたもの。
市電を通すために鉄橋に架けかえられたらしい。
巡航船も市電に負けてしまったのです。
現在!その市電もまったく姿がありません。

人力車から巡航船!さらに市電。
そして地下鉄。
地下鉄はなにに滅ぼされますかね。
石を投げたくても
この川の下を走っています。



赤手拭稲荷のいわれですが。

道頓堀川の船頭が!
あ!? 船頭といっても
巡航船よりずっと前のことですよ!
川のそばの小さな稲荷の祠(ほこら)に
手ぬぐいをかけて
祈っていたという説があるそうな。

使用していた手ぬぐいは垢(あか)まみれ。
だから!垢手拭稲荷神社?!
後に!それじゃあんまりだということになり
垢が赤に!?
奉納手ぬぐいも赤色のものに。
そして名称も赤手拭稲荷神社に。

人力車夫は間違えていましたね。
赤手拭稲荷神社は
船頭の信仰する神さまだったのですよ。

敵方の神さまじゃないですか!
敗北する決まっているじゃないですか!



今!船着き場に遊覧船が係留されたまま。
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新型コロナウイルスに敗れたらしく。

栄枯盛衰!世のならい。
あざなえる縄のごとし。
いや!
1 度滅んだものが
復活するはずもありません。
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