御慶 アヒージョ雑煮

新年おめでとうございます。

私はあんまりおめでたいと
思ったことがないひねくれものですが。

「新年めでたく申しをさめ候」なんて
正岡子規は年賀状に書いていたそうですよ。

子規の専売特許でもなく
明治の初頭ではみんなこんな文句だったらしい。

「新年の御慶（ぎょけい）めでたく申し納め候」
とも書いたらしい。

当時に「謹賀新年」とか「賀正」とかの
便利（？）な単語はなかったのでしょうか。

そういえば「御慶」という落語がありますね。

年始まわりに行くとき
短くて気のきいたあいさつに
「御慶」というのがあると教えられて
ちょっと単純な八五郎が
「御慶」「御慶」といってまわる噺（はなし）ですが。

この噺は
衣食足則知榮辱
（いしょくたりてえいじょくをしる）の
心貧しい変形なんですね。

「衣食足りて礼節を知る」ともいいますが
富くじに当たった八っつぁんが
急に年始まわりをしたくなったけど
地金が地金ですから
「御慶」だけ掲げて間抜けになるのです。

現代でも「御慶」の人が多いですが。



ま！餅でも食べますか。
関西風の丸い餅が
四阿（あばらや）に珍しくあります。

鍋に
煮て醤油味のついた豚足をおきます。

下茹でした人参と大根と里芋とこんにゃくも。

ミニトマトと竹輪とごぼう天を切って入れます。

オリーブ油をたっぷりそそぎ
つぶしたにんにくの小片と鷹の爪を 1 本。

スペインの料理・アヒージョの
日本お正月バージョンのつもり。

煮干しのハラを取って加えます。
加えようと思う人はまずいないでしょうけど。

ガスコンロを点火して加熱。

塩・胡椒をします。
火を止めてから味噌を入れましたが。

焼いた丸餅を入れて
青ネギを散らせばアヒージョ雑煮！？


アヒージョの範ちゅうに入りませんか。
雑煮でもないでしょうか。はは。

揚がった煮干しの
パリパリ感がアクセントになりますが。

最後に粉山椒を振りましたが
油に焼けて苦味が出ました。
振らなきゃよかったですね。

おせち料理の残りや
おでんで作ってもできそうですが
好みの別れる味です。



今年最初の思いつき料理。
なにもかも
アイデアは枯渇しています。あは。

「今年はと思ふことなきにしもあらず　　子規」

私にはなんにもないお正月。
では！いつも通りです！
だから「よし」としましょう。

到来しても滅多に飲まないから
黄色く色づいている
いつのものか分からない日本酒を
お正月ですから飲んでいます。

あ！誤解のないように
酒を飲まない訳じゃありません。
ウイスキーやビールの類は
毎日欠かさず飲んでいますよ。
日本酒に
あんまり食指が動かないというだけです。



（敬称略）

タグ：正岡子規