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織田作之助のアド・バルーン [わが街・下駄ばきドドンパ]

はい!
「オダサク(織田作之助)」の墓参をしてきました。
いいえ!
ファンでもありませんが。

そればかりか
代表作の「夫婦善哉(めおとぜんざい)」さえ
完読した気もしないのですが。

え!?
今度(2013 年夏の終わり)!
あの国営放送みたいな局がドラマ化するのですか。

あのね!
小さくささやかに
それなりにくそまじめに生きているものには
あんな世間をなめているくされ男のはなしなんか
面白いとか!面白くないとかの以前に
ハラが立って!ハラが立って!
なんで見なけりゃならんの!

あんないい加減な男ばかりですか!
大阪のぼんぼんは。
「またも負けたか八連隊」なんて
揶揄(やゆ)されても当然じゃないですか。
ちょっと古い文句ですみません。



それにオダサクのあの文章はキツいですね。

化学の実験のデータか
古墳の発掘の記録のように
細かい!細かい羅列!
凡人には疲れます。

小さな地名が律義につづいて!
家計簿のような金銭高が並びます。
これでもかいうほど系列!商売の説明なんかは。
阿呆には疲れます。



あ!
思い出しました。
オダサクもの!
全く読んでいないこともないのですが。

京都の花街・先斗町(ぽんとちょう)を知りたくて
あちこち当たっていたころ出会った
「それでも私は行く」は最後まで読んだような。

ま!探せばわが家にも
他になん作品かあるのじゃないですか。



え!?
「アド・バルーン」では
私の近所も細かく描写しているんですって!?
じゃ!探してみます。

なるほど!作中!
真夜中に主人公が拾い屋の男に拾われて
中之島公園から南へ南へ歩きます。

そして
「阪和電車の線路伝いに」
「美章園という駅の近くのガード下」まできました。
かなりの距離!時間がかかるはずですが。

ガード下!?
そうらしいですね!
この執筆時は先の戦争のさなか。
今のJR阪和線はこのあたりだけ
線路が高架だったのです。

今も基本的には同じ格好のようです。
blog1.jpg

さらに大阪市の果てまで高架になったのは
それから半世紀後
平成 18 年(2006/05/21)です



阪和線を最初に建設したのは
阪和電気鉄道という会社だったらしいのですが
南海電鉄に吸収され
さらに国有化され
今!JRになっているようです。

複雑なんです。

だから!
このガード下の入居者との賃貸関係も複雑らしい。
blog2.jpg

最初の賃貸契約書なんて存在しているものか。
90 年近く前のはなしですよね。
それがどの程度有効なものか。
ヤジ馬は考えてしまいます。



「アド・バルーン」の作中!
主人公は歌謡曲を口ずさんでいますね。

「今日も空には軽気球(アドバルン)」

あれ?!
ちょっと違うんじゃない!

美ち奴(みちやっこ)の
「ああ それなのに」という歌だと思うのですが。

ああ それなのに/星野卓志作詞/古賀政男作曲/は

  空にゃ今日も アドバルーン
  さぞかし会社で 今ごろは
  おいそがしいと 思うたに
  ああ それなのに それなのに ねぇ
  おこるのは おこるのは
  あたりまえでしょう

オダサクはこれでもかというほど
几帳面に写生して文章を書いているのに
この歌詞はどうしたことでしょう。

「空にゃ今日も アドバルーン」のところを
「今日も空には軽気球(アドバルン)」なんて。

この小説の題名にもした大事なところなんですがね。



(敬称略)
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