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トイレでお茶を [不謹慎ですが、、、]

雑誌「pen 」!
いつ買ったのでしょう。

6/1号ですからふた月くらい前に買っていますね。
読みもしないで捨てるところでした。

そこに小さな囲みで
「な、な、なんと、カフェ!?」という記事がありました。

新聞やTVやWebのニュースや記事にも
もちろん!週刊誌にもなんとなく縁を切って 1 年半。
私には新しいのですが
みなさんには古いニュースかも!すみません。
ロンドンの街角のおはなし。

大英帝国時代(1980 年)に建てられた
歴史的建造物保存指定の「公衆トイレ」を改造して
カフェの営業が始まった!というスクープ。

写真を見ると
ストール型というのでしょうか
床から立ちあがっている陶製小便器の中途に
カウンターが作られていて
男性がおしっこするように
ひとつひとつの便器に
ひとりひとりが向き合って座るのですね。



「潔」「不潔」の感情なら
洗浄して消毒しているから
いいじゃないか!ということでしょうけど
日本人にはどうでしょう。
日本人は
「浄」「不浄」の思想に支配されていますからね。

どんなに科学的に清潔でも
「不浄なもの」は不浄!

便器が新品でどんなにきれいでも
野菜や顔を洗いませんものね。



つげ義春作「義男の青春」を思い出しました。

主人公の「義男」は家賃を 2 年分ためたので
わずか 1 畳の部屋に移らされます。
そこで 8 年間暮らすのです。

なんと!そこは便所を改造した部屋だったのです。

その絵を見ると
元はくみ取り便所に間違いありません。

主人公「津部義男」は
作者「つげ義春」の等身大じゃないでしょうか。

つまり!ホントに
便所を改装した部屋が存在したのかも。

今!
つげ義春著/無能の人/の
巻末インタビューを見ると
どこからも注文なしで
「義男の青春」を描いたといっています。

やっぱり!自伝かも。

「浄」「不浄」の考えで育った日本人なら
耐えられないほどの屈辱!
生きていくのがイヤになるほどの徒労感でしょうね。



稲垣足穂著/
南方熊楠児(みなかたくまぐすちご)談義/によると
僧院につきものの「男色」は
トイレで行われていたとか。(拙ブログ 2006/10/19

正確にはトイレの前室。
高野山では陰間(かげま)と呼ばれている部屋。

それで!陰間で僧侶の相手をする児(ちご)を
「かげま」といっていたらしい。

もっとも!喜んで先輩僧の相手をつとめる訳じゃなく
安楽庵策伝(1554 ~ 1642)著/醒睡笑では
叡山の児(ちご)が怒っています。

「こんな難儀なことをたくらんだ最初のヤツは?!」と
こともあろうに開山の伝教大師をののしっています。
はは。大変でしたね。(拙ブログ 2011/01/30



大森貝塚の命名者のエドワード・モース(1838 ~ 1925)は
日本のトイレに感心しているとか。

なかなか「芸術的」で「衛生的」だと
その著書「日本の家庭と環境」なんかに
書き残しているようです。

便器全体が漆(うるし)塗りだったり
小便器が朝顔の形の陶器だったり。
便所の入口の周辺を持ち主の趣味を示す造りにしたり。

たぶん!
大きな旅館や金持ちの家の便所を見たのでしょう。

今でも便所だけで
わが家 1 軒より
金をかけている人は数多(あまた)いますがね。



便所飯(べんじょめし)」をしている
若ものたちも多い昨今。

まあ!結論は
便所を改装した 1 畳の間でも暮らせるのだ!
隅に小さいけど手洗いの水もあるし。
内から鍵がかけられるし。



(敬称略)
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