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みそ豆丁稚 みそ味の煮豆 [絵に描いたどじょう地獄]

JR阪和線の南田辺駅の前の広場で
「あおぞら寄席」が
ときどき開催されています。

文字通り青空の下の落語の寄席。
1 度も入場したことがありませんが
横の電車の音がやかましいでしょうね。

それが!この月の「あおぞら寄席」は雨。
傘をさして興行!?
ではないですね。

太魂院(ふとたまいん)で催行だとか。

「運子(うんこ)童子」さまの太魂院。
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1 度もお参りしたことがないので
寄せてもらいます。

運子童子さまの黄金の「うんこ」に
手を合わせてから入山しましょう。
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拝所とかの宗教のにおいのある部屋には
通されませんでしたね。
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バチあたりには
なんとなく安堵もしましたけど。



桂福丸が
みそ豆の噺(はなし)をしていました。
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大鍋で煮られている大豆を
店の主人と丁稚が盗み食いをする噺。

宇井無愁の上方落語演題一覧にある
「味噌豆丁稚」がそれでしょうか。
ということは古典でしょうね。

まぁ!昔のことでしょう。
今は
みそ豆を煮る風景もないでしょうから。

近くの席の年には不足のない刀自たちが
「みそ豆」を
みそ味の煮豆と解釈していました。

違いますよ。
新型コロナウイルス禍では
でしゃばって口をはさんだりしませんが。

どこの家でもみそは
自家で作っていた時代が
ほんのこの前まであったのです。

みそを作るために大鍋で煮ている大豆を
みそ豆というのです。

「手前味噌」ということばを
今も使うでしょ。
自分の家のみそが一番なんです。
たぶん!その味になじんでいるから。

  おかあさん 下痢になりました
  あなたがみそ豆を
  盗み食いばかりしたからよ

なんて意味の方言だらけの唄(?)を
遠い日に聞いたことがあります。

記憶力の欠如は人後に落ちず
音感はゼロで再現ができませんが。

みそ豆はそれくらい
魅力的な食べものだったようです。



ふと!思います。
みそは自家製でも
醤油はどうしていたのでしょう。
醤油は買っていたのでしょうか。

長塚節(たかし)の小説「土」は
明治の終わりの鬼怒川沿いの寒村が舞台。

婚礼の夜のふるまいに
ザルとビール瓶が用意されています。

ザルにはうどん
ビールびんには醤油が入っています。

村の若者たちは

  単純に水へ醤油をさした
  したじに浸して
  そうぞうしくうどんをすすった

とありますが。

醤油は貴重品だったに違いありません。
家では作っていないような。

岸和田藩の 100 石どりの元藩士の
熊沢友雄の日記の
明治 6 年(1873)のところに

  醤油麹ヲ蒸醸ヲ誂フ
  大豆一斗五升 小麦二斗

とありますが。

寒村ではなく!大きな家では醤油を
自分の家で醸造していたのでしょうか。

これ!
みそを作っているのではないでしょうね。

みそを作っていて
でてきた汁も使っていたと
死んだ祖母が
その親の時代のことをいっていたような。

この記憶も定かではなく!すみません。



おばあさんたちの解釈の
「みそ豆」を作ります!はは。

ゆでた大豆を日本酒で煮て
サバ(鯖)の水煮缶を加えます。
砂糖とみそで調味。
だし醤油で調整。
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ふと立ち寄ったスーパーに
サバの水煮缶に
100 円以下のものと
150 円を越えたものがあります。

おなじ大きさでも
安いものはまずい!
なぜかまずい。
まずいから売れなくて
値下げしているのでしょうけど。

サバ缶のみそ味のものでも
醤油味のものでもおなじ。
イワシ(鰯)缶もそうですね。
居酒屋のめしたきをクビ(?)になった
おばさんがたまにくれる缶詰はそれ。

「おとうさん(夫)が嫌いやねん」
といいますが
おとうさん!
まずいから食べないのじゃないの。

でも!大豆と煮たら
なんとか食べられますよ。



(敬称略)
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