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円照寺!三島由紀夫!大正天皇! [猫も歩けば棒立ち]

参道に入ったときに
西の空に異様に赤く大きかった太陽が落ちました。
ゆるやかに上る道が林の奥につづいています。

次々にいくつもの
「拝観不可」と
車両の「通行禁止」の高札が現れます。

ん!?
それなのに舗装こそないものの
よく踏み固められた広い道ですね。
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人の気がないので構わず歩を進めます。

三島由紀夫の
豊饒の海・最終巻「天人五衰」の最後で
死期の近い 80 歳を過ぎた男が
あえぎながら上って行った道ですか。

JR桜井線を通過中
唐突に「天人五衰」を
ホントに××十年ぶりに思い出して
夕刻なのに帯解(おびどけ)駅で下車して
その寺を目指します。

昼さえ暗い参道はたそがれどきにはなお寂しく
冬の冷たい風にますます心細くなったとき
きれいな大きな尼寺が!?
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そう!
驚きましたね!最初の出合いは。
それがいつの季節だったか忘却するほど昔のことですが。
そのとき天理の石上(いそのかみ)神宮から
春日大社を目指していました。

いわゆる北・山の辺の道です。
面白くもない道です!私の感性では。
とぼとぼ先達の後をうつむいて歩いていたら
突然!その尼寺が現れたのです。

円照寺(えんしょうじ)です。

それだけなら
人生をいい加減に過ごしている阿呆は
記憶には残らないでしょうけど
それが残っているんです!いつまでも。

異様だったのです!

他になんといえばいいのか!
拙い日本語ですみません。

それに警備員か!寺男かが山門にいて
小汚ない野良犬を追うように
われわれがなにも請わないのに
手で「行け!行け!」と拒否していたのです。

なんという寺院なんでしょう!?
失礼ながら
カルト集団に似ているとも思いました。

後日
「門跡(住職)は三笠宮の双子の姉(妹かも)」
「公然の秘密だ!他言するな」
と聞かされました。

ああ!それで!?
山寺らしくない警戒!

もともと世情にうとく
現代の皇室に関心のない私は
なにも知らなかったので
少なからず!驚きました。

地元では山村御殿と呼ばれているそうな。
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どうして双子を国民の目から隠ぺいしたのでしょうか。
推察した著書がいくつかあるようですが!果たして。

三笠宮はいうまでもなく
大正天皇の 4 番目の皇子です。

さらに驚愕!
「河原敏明著/三笠宮双子説の真相・悲劇の皇女」には
その大正天皇も双子?だとも書かれています。

明治12 年(1879 年) 8 月 31 日
千種任子と柳原愛子のふたりが
わずか数分違いで
明治天皇の皇子を出産したのだそうです。

宮中は当惑し国民と
文明開化をうたう時代に諸外国の手前体裁が悪く
先に生まれたのに千種の子を捨てることにしました。
柳原の生家が伯爵
千種のそれが子爵で格が下だからです。

捨てられた子は
ひどいですね!皇籍も爵位も与えられず!
秘密裏に民間で育てられ
しかし!すこやかな一生を送ったそうな。

ちなみに大正天皇は
1 度も母に抱かれることはなく
たぶん!亡くなるまで
明治天皇の皇后を母と思っていたようです。

大正天皇が 9 歳のとき
傅育(ふいく)係りの佐々木高行枢密顧問官が
「御修学に御後れ相成り候」
明治天皇に知らせています。(実録・天皇記/大宅壮一著)

持病が多くて苦労しているのです。

その体で「皇太子」や「天皇」の激務は無理!
可哀そうですね。
同情しますね。

もし!もしといっても詮ないことですが
兄かも知れない千種の子が皇太子になっていたら
大正天皇は捨てられてどこかの小さな家庭で
体調に合った静かな人生だったかも。

三島の小説は
みんな夢幻!
あるように思うだけで
初めからどこにもない!というような
禅問答みたいになって終わるのでしたか。
  (私の日本語の読解力では無理な小説です)
  (間違っていてもご容赦を)

その三島はこれを書き終えた日に自決したそうな。

三笠宮の姉といわれた山本静山(じょうざん)門跡も
今は目をつむられているそうです。

冬の風はなにごともなかったように
なにも語りませんが
それでも今も
山門のところに「立入禁ず」とありました。
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その横に
「ただし便所は使用して下さい」ですか。
やさしい、、、ですね。
人の世は大変ですね。
訳も分からず!涙がほろり。

奈良盆地の冬の夕刻
どんどん寒くなる暗い道を下り帰ります。
遠くで牡鹿が鳴いたような。
夢幻でしょうね。

私が死ねば私が見ている世界も死にます。

私が見ている世界は私だけのもの。
あなたが見ている世界はあなただけのもの。

計測器で計る色温度はいくらであろうとも
私が見ている赤い花は
私が死ねば消えてなくなります。

阿呆もたまには
禅問答のまねごとをしながら歩きます。
便所を借りなかったことを悔みながら。

(敬称略 すみません)
タグ:円照寺
コメント(2) 
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コメント 2

nao0880

園照寺、平城遷都1300年祭で庭園の特別拝観をしていましたね。
門跡寺院って、やはり格がありますね。
定期観光バスでも拝観できるとも。
by nao0880 (2011-01-13 08:29) 

ほっ

そうでしたか。
それでたくさんの往来が参道にあったのですか。

by ほっ (2011-01-13 12:19) 

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