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愛宕山 千日詣り そのひぐらしが行く [野道!山道!恋はけもの道!]

柚子(ゆず)の里・水尾から歩きます。
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歩くなんてもんじゃない!
いきなり急坂!登るのです。
3、4m 進んで 1m 上るというほど。
数字はあくまでも私の頼りない感覚ですよ。

まったく勾配を緩めてはくれませんが
落葉の敷かれた山道らしからぬ
幅員のあるきれいな道です。
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愛宕山参道のひとつです。
私の記憶では
もっと素朴な小道だったのですが。
整備したのですね。

「一陣のひぐらし鳴く音おこるなり 草田男

雷鳴とひぐらしのカナカナがかまびすしい!
京都市右京区の天気予報は午後から雨でした。

雨が降っても登りますぞ。
登らねばならん!ならんのじゃ!
三波春夫は唄っていました。(古いのぉ)
「とめてくださるな妙心どの
「落ちぶれ果てても平手は武士じゃ

余談ですが妙心どのは女性の僧です。

「尼さま合掌してさようならしてひぐらし 井泉水

閑話休題!
武士でもないのですが
今晩(2017/07/31)から明朝にかけて
年に 1 度の千日詣りです。

この日 1 度詣れば千日分の、、、!?
え~と!忘れました!
なにかのご利益があるといいます。

夜になってから登るのが正式でしょうけど
例年!大勢!明るいうちから登っています。

「かなかなないてひとりである  山頭火

愛宕山にはいくつかの登山口があります。
清滝からの表参道には蟻の行列だといいますが
こちら裏参道は静かです。



雨がぽつりと落ちてきたとき
「水尾の岐(わか)れ」の
休憩小屋に着きました。
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ここから表参道に合流します。
あと 30 分かな!楽勝です。
が!結果!もっとかかりましたね。ああ。

通称「ハナ売り場」です。
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水尾の里のおね~さん方が
「しきみ(樒)」を売っているところですが。

さかき(榊)ではないんですね!ここは。
昔は朝!かまどに火を入れるとき
このしきみの葉を 1 枚入れたそうな。
そうすると、、、え~と!?
なにかご利益があるはずです。

雨がやみました。
表参道にこの日だけ下げられている電球が
明るく感じられてきました。

「かなかなや素足少女が火をともす  澄雄

黒門が見えてきました。
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銅板葺の高麗門。
寺の門みたいに見えます。
大昔には
白雲寺という寺院もあったと聞いたような。

「ひぐらしは坊さんの生まれかわりか 風天

あと少し。
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明智光秀が本能寺攻めを決心した愛宕神社。
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やれやれ!予定より 10 分遅れています。



ん!?
ずぼんの膝小僧が濡れています。

あああ!膝から上!
服がシャワーを浴びたようです!?
速乾性の服なのにしぼるほどの汗。

ウエストからは実際!したたり落ちています。
リュックの背にあたる部分も水に落ちたよう。

発汗は
人より少ないような気がしていたのですが
今日もあんまり!特に顔には
かいていないと思っていたのですが。

私の体力の衰え?!
それとも今日の天候のせい!?



千日詣り。
正式名称は
千日通夜祭(せんにちつうやさい)というとか。

ちなみに「千日詣り」はいいのですが
「千日参り」と表記するのは嫌いらしい。

火難除けの神さまですから
「火廼要慎」祈符(400 円)と
かまどに火をつけるときに使う
うちわ(200 円)を求めます。
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あ!祈符は紙に包んで丸めてくれました。
たくさん押し込んでいる
リュックに入れたらつぶれますね。
濡れるでしょうし。

いつもはなにかを入れるときのために
ボックスをふたつほど持参しているのですが
今日にかぎって、、、。

作りますか。
飲み終わったペットボトルにはさみを入れます。
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中をティッシュでふいて!即席・祈符入れ。
はさみはいつものように持っていました。



こどもが 3 歳までに参詣すると
一生!え~と?!
忘れましたが!なにかいいことがあるのです。

こどもは小さくて歩いて登れません。
お父さんは大変です。
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若いうちにお父さんになっておきたいもの。
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ママも頑張っています。
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シングルマザーなんでしょうか。
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新しいオトコはいないんでしょうか。
よけいな心配をすることもないのですが。

どう見てもおばあさん!おじいさんが
大きなこどもを背負って登っている姿も
多数見受けられました。

5kg ばかりのリュックに
大汗をかいているものは
恥ずかしいかぎり。



夜中に神事があります。

境内の隅に靴を脱いで上がる場所があります。
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ここで善男善女は徹夜するのですね。

カナカナの声がか細くなりました。
陽が落ちて行きます。
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「蜩の声より過去となりゆけり  五線

バチあたりは神事を待たず帰ります。
帰路は電球の下がる表参道を下ります。
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これが大変!

いつもはこの道が
フツーだと思っていたのですが
整備されていた水尾からの道を歩いてきたので
荒っぽく感じるのなんの!

表参道を「男坂」
水尾からの道を「女坂」といわれる所以ですね。

暗くなったらよけいに危ない!あぶない!
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そんな闇の中!どんどん人が登ってきます。

登ってくる人に「おのぼりやす」といいます。
反対の人は「おくだりやす」といってくれます。

京都弁のアクセントがうまくできません。
他人のあいさつをよく聞いていると
元気のいい「や~~~す」が耳に残ります。

そうか!「や~~~す」でいいのか。

「一生分のや~すをいった」と
東京からきたという女学生たちの弁。



直接的な登り口・二の鳥居に着きました。
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いつもは静かなところなのに今夜はやかましい。

だいたい 1 時間半くらいで下山していたのに
2 時間半も費やしていました。

バスで阪急・嵐山駅に出ます。
今夜は臨時バスがたくさん。

嵐山駅で降りると大勢の人が待っていて
折り返しすぐ発車して行きました。
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今夜は眠らない人たち。



「かながいた かなこもいた ひぐらしの恋  ほっ

なんのこっちゃ!?
自分でも分かりましぇん。
ちょうど 2kg 落ちていたことだけは
体重計の目盛りで分かりました。



(敬称略)
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