きみがいた秋 [うそ八百]
大空に つながって飛ぶ 赤とんぼ
追えばよかった きみがいた秋
億年の 流れの中の しがらみで
奇跡の出会い きみがいた秋
夢一輪 かつあらわれて かつ消えて
やけに空が高い きみがいた秋
どこからきて どこに行くのか 人も風も
花はつかのま きみがいた秋
考える芦も考えない芦もみな
恋は楽しい きみがいた秋
ただ息を しているだけの 人生も
恋は楽しい きみがいた秋
うそ泣きが ただかわいくて
ため息が ただかわいくて きみがいた秋
花はうそ ことばはうそ ときはうそ
うそが心地いい きみがいた秋
折れそうな 腰を後ろから 抱きしめて
折ればよかった きみがいた秋
花に酔う 風に酔う また 雲に酔う
影が酔わせた きみがいた秋
傷つけて なお傷つける 神もいる
赤い血の花 きみがいた秋
花も鳥も 人も雲もみな リセットし
もう一度こい きみがいた秋