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百年の夢 帰りなん いざ [活動写真]

「百年の夢」を見ました。
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1972 年(昭和 47 年)に
共産党政権下の
スロヴァキア共和国で撮られた
モノクロのドキュメンタリー映画です。

撮影地はファトラ山地だそうな。

が!スロヴァキアの位置さえ
くすんだ頭には定かではないのに
そんな山地なんか知る由もありません。
画面から見るかぎり
厳しい自然におびやかされた
やせた土地は悲惨に感じられます。

それが悲惨かどうか
住民が悲惨と感じているのかどうか
分かりませんが。
私がぼんやり生きているから
そう思うのなら
恥ずかしく悲しいことです。

老人ばかり出てきます。

なにもない里で
なにもなく生きているように見えますが
心の中はやせているのかどうか。

医者も薬もなくても
痛みは酒を飲めば消えるとか!
いいじゃないですか。
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事故で両足が不自由になっても
ひざではいながら
ひとりでりっぱな家を建てたとか。

夫が戦死し!
結核に罹病した女性は
幼いこどもに感染させないために
火の気もなにもない納屋で暮らしたとか。
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50 年間!納屋暮らし。
それで!農作業も家事もこなし
こどもたちは感染することもなく
成長したと聞けば腰が抜けました。

徴兵されて各地を引き回されたので
数か国語を会得したという羊飼いは
「百年生きてきた」そうな。
「百年生きてきた」と思えるほどの
経験をしたのかも。



灰色の脳みそはゆらいで
霞の中に詩が浮かびあがりました。


 歸去來兮
 (かえりなん いざ)
 田園將蕪胡不歸
 (でんえん まさに あれなんとす)
 (なんぞかえらざる)


陶淵明(365 ~ 427)の詩
「歸去來兮辭」の一部。
大昔から文士やら書生やらが
好んで口にした文節。

帰ろう!いざ。
(故郷の)田園が荒廃しそうなのに
どうして帰られずにいられようか。

とかなんとかの意味でしょうか。

町の生活は
精神を肉体の奴隷にしてしまうらしい。
だから!田園に帰らねば!

長い詩は再び!
「かえりなん いざ」が出てきます。

 歸去來兮
 (かえりなん いざ)
 請息交以絶遊
 (こう まじわりをやめて)
 (もって ゆうをたたん)

帰ろう!いざ。
世俗との交遊を断ちたいものだ。

なんて!いっています。

余談ですが
毛沢東は抗日宣言に
この詩を引用しているとか。
陶淵明は隠遁(いんとん)宣言ですがね。
生臭いものと静謐(せいひつ)なものとを
同列視というのも、、、どうでしょう。



思い直しました。

この映画に登場するひとたちは
他の地に行くことはできませんね。

たとえ移動できても
他の地では生きていけないかも。

陶淵明は田園に帰っても
自らの土地はあり!
召使いはいて!くるまや舟はあり!
酒はあり!琴はあり!
のん気に散策して
詩作にふけったりできるようです。

田園詩人と田園のひととは違うような。



でも!
「歸去來兮」がどうして
「かえりなん いざ」と読めるのですか。

ロクに学校に行っていないものは
まぬけなことをいって!すみません。

「來兮」は「いざ」ですか。

万葉集以来の読み方?!
菅原道真が読んだから!?

それでなじんでいるのだから
よけいなことを考える必要はないのかも。



鶏に聖書を読んでやるひと。
だれに見せるのか!
からくり人形作りに没頭するひと。

それが平和でしあわせなのかも。

日夜!格差感覚でのろい!
物欲に支配されてうらみ!
とまらない吐息に
心を病んで行く自分が
悲しくなりました。



(陶淵明全集/松枝茂夫・他訳注/)参照
(敬称略)
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エルヴィスを観た [活動写真]

映画「エルヴィス(Elvis)」
(ワーナー・ブラザース映画)
(監督 バズ・ラーマン)を観ました。
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先日!命日に(拙ブログ 2022/08/17
エルヴィスに会った(?)ので
なにかの縁!
宝塚の映画館「シネ・ピピア」に。

エルヴィス・プレスリー(1935 ~ 1977)の
実話と宣伝していましたが。
脚本があって役者が演じれば物語!
実話にはならないと思いますがね。

どうみても欲と色だけで戦う武将を
平和のために人殺しをしていると
描いたりするのは常ですから。

豊臣秀吉が主人公なら
徳川家康は食えぬタヌキに
家康が主人公なら
秀吉は下品なサルとしてあつかったり。

芝居に実話はないですよね。

音感はゼロで
音楽から敬遠して生きていますが
エルヴィス・プレスリーの
名前ぐらいは知っています。

「キング・オブ・ロックンロール」!
レコード販売実績世界一なんですね。

それだけのなきに等しい知識だけ。

ロックンローラーといえば
「ヒット曲なんてない」と
威張って(?)いた
内田裕也のほうが私には有名ですがね。



1950 年代でしょうか
舞台でエルヴィスが腰を揺らせば
若い女がギャ~!ぎゃー!
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舞台におしかける!
はいているパンツを投げつける!大騒ぎ。

三波春夫は手を突っ込まれて
ふんどしを抜かれたそうですから
どこの国の舞台でもおなじようなもの?!

今はどうなんでしょうか。

自由の国といいながら
保守的な価値観が強いアメリカで
淫乱だ!風紀を乱す!と
腰を振ったら逮捕するといわれたり
人種問題か消えない国で
黒人音楽を取り込んだロックンロールを
白人が歌うなんて!と
非難の矢面に立たされます。

貧しい生い立ちから天文学的金銭を稼ぐ
典型的なアメリカンドリーム。

稼いだカネの半分を
悪徳マネージャーがバクチですってしまう!
家族はなにも考えずに浪費してしまう!
本人は疲れてクスリと女におぼれる!

享年 42 歳。
典型的な末路です。

ある意味では分かりやすい。

上映時間 159 分は長い!
終了したときには腰が抜けて立てません。

ま!映画のストーリィには興味は薄く!
感動する場面もなかったのですが
なぜか!心が重い。



映画館近くの「ごーしゅ」で休憩。
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「手創りBAL」とあります。

ん!?
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立ち寄ったことがあるかも知れません。

鶏唐甘酢定食をいただきます。
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私好みのやさしい味です。
おいしい。
税込み 750 円。

山ほどのおカネもほしいけど
ランチがおいしくなければ
つまらないかも。

いや!
ランチなんかいらないやい!
クスリですませる人生のほうが
いいに決まっています。はは。



(敬称略)
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マラソンに怒り リトル・ガールに沈む日曜 [活動写真]

わが家の前の道に
ロープが張られていきます。

大阪国際女子マラソンが開催されるとか。
ホントに人騒がせなこと!
マラソンが始まったら
道路の横断をとめられます。

最寄りの地下鉄の駅は 2 駅ありますが
いずれも道を横断しなければ行けません。
こちら側に出入口を造られていません。

北は 7、8km 先の大阪城あたりまで
南は 3km あまり向こうの
長居公園あたりまで行っても
道路を渡れないようです。

徹底していじめられます。
もっとも!陸橋とか
地下道とかなら越えられるでしょうけど。
どこまで行ったらあるのやら。



それで!なぜかあわてて
マラソンが始まる前に家を出たものの
行くところがありません。
天王寺動物園で
ライオンを見て過ごそうかと思ったのですが
動物園は新型コロナウイルスの感染が
どうのこうのと!休園です。

買うものもないけど
どこかの商店街を散策しますか。

大阪メトロの九条駅の北の
「キララ九条」は日曜日の
今日(2022/01/30)はシャッター街かな。
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南の「ナインモール九条」も
おなじようなもの。
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アーケードから路地に入ったところの
「寿司 むら尾」がランチ営業しています。
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「おまかせ丼」をいただきます。
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税込み 550 円でした。



映画を観て時間をつぶすことに。

菓子の安売り店で
ドリンクとカステラを買って行きます。

300 円ばかり買っただけなのに
大きな酢昆布をくれました。
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こんな 25cm を越えるような酢昆布!
食べたことがないぞな。

ん!?
中はマスクでした。はは。

フランス映画の
「リトル・ガール」を観ることにしました。
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わぁ!
私には大変な映画でした。

フランス北部の 7 歳のサシャは
戸籍は男の子ですが
普通の女の子として暮らしたいといいます。

当然!学校やバレエ教室などの
社会は疎外しますよね。
家族は理解があるのですがね。

母親は自分を責めて疲弊しながらも
戦いつづけます。

これはドキュメンタリーですか。
フィクションかどうか
区別ができなくなって観ていました。

サシャが可愛いからよかったです。
最近!TVに出演しまくっている
金儲けだけとしか思えない
土方(どかた)オカマたちには辟易しますが。



とぼとぼと歩いて!家の前まで帰って
あ!思い出しました!
そうです!マラソンしています。

ホントに迷惑です。

なにも公道をわずかな好事家のために
占拠させなくてもいいものを。
車道はくるまや
馬が走っていたらいいのです。

利用していない埋め立て地の周囲でも
好きなだけ
ぐるぐる回っていればいいのに。

競技場のトラックを
走っていてもいいのでは。
400m トラックを
105 回走ればいいだけのことでしょ。
電卓を買ってくれば!計算できるでしょ。
観客も座って声援が送れるじゃないですか。

ルームランナーのような
ウォーキングマシンでもできるのでは。
1,000 人出場者がいれば
1,000 台のマシンを用意して
一斉に走れば壮観じゃないですか。

速度を調整できるし
飲食のものもセットしやすいでしょう。



マラソンといえば
「魔羅 損」を思い出しました。

笑福亭鶴光がよくいっていた
「あそこ臭い魔羅 損」!?

「阿蘇国際マラソン」ですがね。

鶴光のオリジナルと
長い間、思っていましたが
かなり昔からあるギャグらしい。



終わりましたか!魔羅 損!いや!マラソン。
やれやれ。

桃ケ池のほとりの梅の花が散りそうです。
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(敬称略)
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海底王キートン シーフードカレー [活動写真]

映画「海底王キートン」を観ました。
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1924 年の制作です。
古いです。
日本の年号でいえば大正の終わりです。

無声映画です。
大森くみこ活動写真弁士と
ピアノの鳥飼りょう演奏者がつきました。
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ストーリィは現実離れしている喜劇ですが。

「海底王」というタイトルですから
タイやヒラメの舞い踊る
海底の国の物語かと思いきや
なかなか海底が出てこないのですが。

ん!?
原題は「THE NAVIGATOR」?!
「ナビゲーター」じゃないですか!

強いて訳せば「航海者」か「航海長」!?

大金持ちのおぼっちゃまが
新婚旅行へハワイのホノルル行きを決め
チケットも入手したのですが
肝心なことを忘れていました。
前日になっても
まだ花嫁を見つけていません。

急きょ!海運王の娘にプロポーズ。
にべもなく断られますわな!当然。

いろいろ誤解やら不手際があって
気づいたときには
おぼっちゃまとおじょうさまだけが
漂流する客船に取り残されていました。

細かいギャグが散りばめられています。
100 年前に撮影とか画像編集技術が
今のなん万分の1 もないときに
大変な努力だったことでしょう。

キートンは体を張っていますね。
危険なアクションがいっぱい。
キートンにかぎらず
ヒロインもその他の人も
危ない演技をしています。

出演者みんなスタントなしだと
弁士の方が解説していましたが。
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CG なんかももちろんなし。

たぶん!人食い人種の住む島の前で
船が座礁。

おぼっちゃまが潜水服を着て
船底の破損部分の修理をしようとします。

ここでやっと!海底のシーンが出てきます。

弁士の方がいうには
当時の撮影技術からいえば
水中撮影は大変なことだったらしい。

淡水湖で長時間かけて撮影したそうですが。

だから「海底王」のタイトル?!
それなら!なんか無理があるような。

人食い人種とかの
今では差別的な設定もありますが
今でも無理なく鑑賞できる映画でした。

ハワイに新婚旅行とか
潜水艦も今と見た目は遜色ないし
100 年前と変わらないような。



映画館を出たら
「シーフードカレー」!?
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ま!食い気のほうが
すべてに勝りますね!私は。

おぼっちゃまがもぐっていたとき
タコに襲われていましたね。

松屋の
「海鮮ごろごろシーフードカレー」を
食べますぞ。
しかし!高価ですね。
税込み 850 円!

キートンはスタントも使わず
高い客船のデッキから
海に飛び込んだりしていました。

ええい!私も
清水の舞台から飛び降りたつもりで
100 円追加して生野菜もつけますぞ。
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でも!タコは入っていないような。

イカとアサリは分かりましたが
エビと貝柱も入っていたのかも。



(敬称略)
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おちょやんのののちゃん アチャコ青春手帖 [活動写真]

「なつかしいよ。

居酒屋の “めし炊き” をクビになった
おばさんがいいます。

NHK のラジオドラマの
“お父さんはお人好し” を
家族そろって聞いていたといいます。

『四国の山ん中にも電波があったの?!

「うちは四国の山ん中の都会や!失礼やで。

今!朝の連続テレビ小説の
“おちょやん” を見て遠い日の
一家だんらんに思いをはせているようです。

「“おとうさんはお人よし” は
「昭和 26 年に始まったんやね。

『違いますよ。

「“おちょやん” でいってたもん。
「あんたとこにはTVないやろ。

『災害用のラジオに
『ワンセグのTVがついていますよ。失礼な。
『まぁ!見ないけど。

“おちょやん” は
浪花千栄子がモデルには違いないでしょうけど
大幅に脚色していますよ。

『第一!昭和 26 年には
『あなたはまだ生まれてないでしょうがね。



“おとうさんはお人よし” は
花菱アチャコと浪花千栄子コンビの 3 作目。
最初はやはり
NHK ラジオドラマの “アチャコ青春手帖” で
その後に
“アチャコほろにが物語 波を枕に” がつづき
“おちょやん” のようなことはありません。

“アチャコ青春手帖” で
NHK が行方不明(?)の
浪花千栄子を探すいきさつと
千栄子が出演を承諾するはなしは
伝説化していて
証人(!)によって
ディティールが少々違うのですが
今回のTVのようなことはありません。

千栄子は嵐山のお寺にいたというのが
私の記憶でしたが。
中邨秀雄・元吉本興業の社長か
大久保恒次・元朝日新聞記者かが
いっていたような。

脚本の長沖一は
お花の師匠の 2 階に住んでいたといいます。

が!
アチャコの記憶では
洛中の河原町の仏光寺にいたとか。

千栄子の自伝 “水のように” を読めば
いいのかも知れませんが。

「××教の読書会で読んだことがある。

別のおばさんがいいます。

はは!
あの変な(失礼!)団体の信者でしたか。
それはともかく

「暗くてねぇ。
「千栄子さん!うらみつらみばかり。

最近!再版されているそうですが
読むのはやめましょう!それなら。

それに!こんなはなしもやめましょう。
枝葉末節なことですから。



映画館 シネ・ヌーヴォで
「浪花の名女優 浪花千栄子」
(2021/05/08 ~ 28)が始まりました。

映画の名脇役という “浪花千栄子” の
代表作 15 本が一挙に上映されます。

初日の第 1 作が
その “アチャコ青春手帖 東京編” です。
一応!第 1 作だけ観ておきますか。

1952 年!新東宝の作品です。
昭和 27 年ですよ!おばちゃん。

ラジオドラマでヒットしたから
映画化したのですよ。

ストーリィに特筆するものはありません。

ただ!
50 歳半ばのアチャコが
20 歳半ばの学生の役。

笑えますね。

やっぱり!映画化で問題が起きたそうな。

ラジオは声だからいいけど
顔や全身が映る映画には
50 歳代の学生はまずいということ。

ま!喜劇ですから
そんなリアリズムを
議論に出さなくてもいいと思うのですがね。

ゴタゴタがつづいているとき
マキノ雅弘の

「アチャコだから
「60 が 24、5 にもなるんや。

と!進言があって撮影ができたそうな。

雅弘監督は
この映画とはなんの関係もないのにね。

しかし!
浪花千栄子の母役はすごい。
実年令が 40 歳半ばなのに
70 歳ぐらいに見えます。
モノクロだからでしょうか。



余談ですが
朝の連続テレビ小説の
“おちょやん” の子役の
毎田暖乃(まいだのの)を見ると
ギスギスとした心がゆるんでしまいます。

大阪弁の中でも怖い(!)河内弁。
その中の南河内弁は恐怖の極み!
他国のものには。

「うるさいんじゃボケ~!」
「親らしいことさらせ!」
「どあほう!」

かの女がぼた餅みたいな顔でいうと
可愛い!怖いというより。

このドラマでは二役の出演。
お疲れさまですなぁ。
二役目は京都弁。
小さいのに!好演しています。

家でTVを見なくたって
朝の場末の喫茶店では見ている私です。



今でも田舎道を歩いているときに
倉庫の壁などに
浪花千栄子の “オロナイン軟膏” の
琺瑯(ほうろう)看板が残っています。

千栄子の本名が
南口(なんこう)キクノだから
軟膏(なんこう)の CM に採用されたという
伝説がありましたね。



(花菱アチャコ著/遊芸稼人/)参照
(敬称略)
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