見たな！？ 吸血鬼の食事のあと

通販でみっつばかり買いましたが。

ちょっと遅れています。
遅れるかもしれないという
メールもあります。

お！
ひとつきました。
プリンタのインクですね！これは。

封筒を乱暴に斜めに破ります。
インクが 1 色！完全になくなり
印刷を 1 日待っていたのです。

ん！？
インクじゃない！

口紅です？！

あ！よその人のもの！
間違えて配達しています。
最近は置き配やら
郵便受けに押し込みばかりですから
こうなりやすいのかな。

困りました。

しかたがありません。
正直にあやまりに行きました。

「いいです！いいです」
ひとり暮らしのようなおじさんが
簡単に許してくれました。

「知り合いの女性に頼まれましてねぇ」

聞きもしないのに
おじさんは勝手にしゃべっていましたが。

おじさんが
ご自分でお使いになってもかまわないのに。
そんな人！あまた知っています。


●


「帰り道でしょ！これを渡して」

夜も更けたころ
小さな袋を託されました。

A （スナック）のママに届けるのですか。
人見知りが強い性格なので
行ったこともないところは苦手！

気分が重いまま行くと
もう！看板の灯は消えています。
ドアには施錠されています。

ん！？
ドアのすき間から
エアコンの冷気が出ています。
まだ中にいるのかな。
片づけでもしているのかな。

未練がましく
そのドアの取っ手を少し強く引いたら
ゆるゆると動いて
とたんにガクリと開いたじゃないですか。

壁灯がひとつともっているだけ。
薄暗くて！室内がよく分かりません。

「なんや！おまえは？」

床に寝ころんでいたらしい初老の男性が
上半身を起こしたのです。

鬼のような形相です。

「B のママが」
「これをお渡しするように！と」

「あ！ありがとうございます」

やっぱり！寝ころんでいたらしい
中年の女性が起きあがりました。

ふたりとも口のまわりが赤い！
吸血鬼か！ライオンが
食事をした直後のようです。

赤いルージュだらけ！？

？！
なにをしていたのだ！
聞きたくもないですが。

男性は通称「Xx教」かな？！

この場末の夜の世界では
「Yy寺」とか「Zz神社」とか
寺社の名で呼ばれている人とか
教団名で通じる人がいます。

偏見ですが！かれらはみんな
カネ回りがよさそうで！そろって好色！
聖職者の聖は
「性」なんでしょうかねぇ。