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ヒロポン事始め XO丼を食べた [食い逃げ未遂]

先の大戦の戦中戦後に
ヒロポンがはやったそうな。

もともとこの覚せい剤は
一時的にエネルギーを集中できるので
特攻隊とか徴用工とかに
軍部や政府が推奨していたようですが。

それが大量に出回り
歌手や芸人や小説家などは
フツーに使っていたのですね。

いい高座だった噺家(はなしか)は
楽屋で師匠が
ごほうびに 1 本打ってくれたり。

ヒロポン溶液を詰めたサイダー瓶を
これ見よがしに弟子に持たせて歩くのが
一種のステータスだったり。

「あっしも師匠のように
「早く自前の注射器を持てるように
「精進します

なんて本気でいっていたそうな。

芸能界の「ヒロポン事始め」は
ミス・ワカナだそうです。

ミス・ワカナ玉松一郎コンビは
大変な売れっ子で強行軍はあたりまえ。

松島の八千代座に着いたとき
ついにワカナが倒れて
舞台に穴が空きそうになりました。

支配人が知人の陸軍軍医に相談すると
軍医の大尉どの!やおら注射を 1 本。
むっくり起きあがるミス・ワカナ!

生気はつらつ!
少女の如くよみがえったそうな。

なんとすばらしい!奇跡の薬!
病気を忘れ!疲労は吹っ飛び!
眠気を知らず!頭はさえわたり!
食べなくても生きられる!

これがはやらない訳がありません。



ヒロポン芸能界汚染の
その記念すべき嚆矢(こうし)の小屋の
八千代座はどこですか。

千代崎橋(大阪市西区)が
木津川に架かっています。
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織田作之助は「文楽の人 吉田文五郎」に
文楽座は松島の千代崎橋の
八千代座のところにあったと書いています。

原島広至著/大阪今昔散歩/の
明治の西船場の地図の隅っこに
千代崎橋を見つけました。
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画像の右の上から下
すなわち北から南に流れているのが木津川。

画像の左!木津川に並行している川は
尻無川らしい。
その尻無川に花ソノハシ(花園橋)があり
その橋のたもとに「文ラク」とあります。

それが文楽座!後の八千代座かも。

今の尻無川はもっと南にありますが。
北の部分は埋め立てられて
なんの川の面影もありません。

南を向けば大阪ドームが見えるこの道が
尻無川だったのでしょうか。
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もしそうなら
八千代座はこのあたり。
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左に行って見ればこんな景色。
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もしかして道は昔のままで
今ある建てものの下が川だったのかも!
なんて思いつきましたが。

いずれにしても
努力して探しても
なんの意味もありませんがね。



その八千代座のあったあたり。
「中国料理 吉林菜館」があります。
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大きく「X・O丼」と書いていますが。
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「テレビマスコミでおなじみの」ですって。
そりゃ
「XO 醤(エクシーオージャン or エックスオージャン)」を
ごはんにのせたら「丼」になるでしょうけど。
知りませんぞな。

食べてみますか。

「中でいいですね!」

「小があるのなら小でいいですけど」

「小は小さすぎるから」

ああ!そうなの。

それで素直に従って
「X・O丼」の中!税込み 825 円。
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ごはんにこの店特製の
「XO 醤」をかけて
青ネギをトッピングしてあります。

「XO 醤」に標準はないのでしょうけど
私の知っているものは
もっとペースト状だったような。

これ干しエビ?干しアワビ!?
干したじゃこのような食感が強い。
金華ハムが入っているのかどうか。
丼ならもっと塩味・砂糖味がきいていて
辛味が強くてもいいような。

文句ばかりいってすみません。
罰にヒロポン!打ってください。

ヒロポンはごほうびのときだけでしたか。



(小島貞二著/こんな落語家がいた/)参照
(敬称略)
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