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飛田新地(6) 主婦はみな娼婦 女町エレジー [猫も歩けば棒立ち]

「山と山とに 囲まれた

「ここは大阪 奥座敷

「別れてしまえば 他人でも

「想い出します 雨の夜は

「生駒は哀しい 女町

「女町エレジー」という歌。
この道に暗いので
どなたの歌か存じませんが。
私は宇多田ヒカルの母親の
藤圭子のハスキーな声で
聞いた記憶がありますが。

「生駒」って
大阪と奈良の境の生駒山のことでしょうか。

生駒山の中腹に通称・生駒聖天さんという
関西の商人たちの参拝が絶えない
宝山寺があります。

その門前町が遊廓!?
知る人ぞ知る
「宝山寺新地(生駒新地)」らしい。

近鉄・生駒駅の前からケーブルカーが
宝山寺まで連れて行ってくれます。

ケーブルの宝山寺駅周辺
急な石段の参道脇に旅館が並んでいます。
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なんだか!すでに役目を終えた町のような
寂しさを感じてしまいますが。
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朝だからでしょうか。



「ずっとチャンスを待っていた」という
裕福そうな家でうんと年上の奥方や小姑に
アゴで指図されている養子のおじさん。

いつもふもとから
指をくわえて仰いでいた宝山寺新地に
ついに行ったらしい。

帰路!ケーブルの中!
電車に乗り換えても!
見たことがあるような人が
つかず離れずいます。

先ほどまで
いっしょにいた女性じゃないですか!?

後日近所でまた会ったとか。
しかも!
おなじ町内の
大きなお屋敷の奥さんだったので
驚いたのなんの!



「生駒?!人妻らしいのが多かったなぁ」

すでに定年退職したおじさんがいいます。

「得意先と接待麻雀によく行った」とか。

「麻雀しないで」
「買春や変なことばかりしていたな」
「その接待費!会社が全然認めないんや!」
「捻出に苦労したがな」
「その折にはお世話になりました」

え?!まさか!
生駒山上の遊園地で
高級幕の内弁当食べて!遊具に乗って!
私を接待していたことに
なってないでしょうね!?
ま!それでもいいですけど。

それはともかく
かれの説明によると
10 軒ほどある普通(!)の旅館の
どれに行ってもOKだとか。

置屋みたいなところから
女性を呼んでくれるのだとか。

女性は 40 歳前後の人妻(風)ばかり。

得意先に夜になると人格ががらりと変わり
おバカになるハゲちゃんがいて
かれら!麻雀をすることになっているので
3 ~ 4 人の男性と
その相方の同数の女性とが
全員すっぽんぽんで
大浴場で
ひとしきり騒ぐのが恒例だったそうな。

「ハゲちゃん!」
「浴場ですぐ欲情(!)していたなぁ」



大きな家で
経済的に恵まれて美人の妻と仲良く
しあわせ(そう)な家庭の男や
有名企業に勤務していて
社会的地位がある(ように見える)男たちが
なにゆえ売春宿に行くのか!?

ハイト・リポートによると
「妻は家庭にいる娼婦」だという
意見も多いのですが。

生活費を渡しているのなら
金を払って
セックスすることには変わらない?!

妻もその気がなくても
夫が求めれば応じるじゃないですか!?
それは愛でもなんでもなく
売春婦の原理のときが大半でしょう。

東海林さだおの漫画によくありますね。

「する!」と
度の強いメガネの夫が要求します。
「あ!そ!」と
歯茎がとってもきれいな
(と!ありますが絵はむき出しの大歯茎の)
妻がいいます。

「たけし!もう寝なさい!早く~!」

妻はせんべいを食べながら!
あるいはTVを見ながら体を開いています。

「はい!どうぞ」

そんな感じのような。

食べて飲んでプレゼントして
大金をはたいてデートしてから
セックスにありつけるのと
娼婦に払うのと
どこが違うのかという意見も
同リポートにありますね。

しかし!デートの後に必ず
みっちゃんが(よっちゃんでもいいのですが)
こちらの思うようになるともかぎらない。
確実さを求めるのはどちらがいいものか!?



ま!そんなことは忘れて
心静かに宝山寺の奥の院に向かいます。
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6 角のカップに入った
ろうそくがありました。
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300 円。

宝山寺新地の!飛田新地の!
永遠の火がともります。

世の女性がみんな娼婦なら
「女町エレジー」は
「生駒」の「エレジー」でも
なんでもないじゃないですか!
そんな気がします。



(シェアー・ハイト著/中尾千鶴監訳/
   ハイト・リポート/男性版/参照)
(敬称略)
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