SSブログ

トキワ荘の青春の生キャベツ [活動写真]

「トキワ荘の青春」の
デジタルリマスター版を観ました。
1996 年公開の映画です。

トキワ荘は最初に
手塚治虫が仕事に使っていたアパート。

手塚が出た後に漫画家の卵たちが
大勢入居したところと
衆目の認めるところでしょう。

1953 年ごろから数年の
日本の漫画の黎明期の物語ですね。

1996 年の公開時には観ていないのですが
「トキワ荘の物語」と聞いて
藤子不二雄Ⓐ の自伝的漫画の
「まんが道」が原作かと
とっさに思ったのですが。

「まんが道」は
不調法にして読んだことはないのですが
その道では大変著名な漫画で
NHK でドラマ化したことぐらいは
知っています。

しかし!藤子は
「まんが道」は
映画のモデルじゃないといっています。
(藤子不二雄Ⓐ 著/81 歳まんが道を、、、/)

もしかしたら
梶井純著/
トキワ荘の時代 寺田ヒロオのまんが道/
あたりかも知れません。

寺田ヒロオを主人公にした映画ですから。

手塚と同時期にアパートにいたのは
寺田ヒロオだけでしょうか。
その他のみなさんは
手塚が出てから入居してきた人たち。



「トキワ荘青春物語」という本を開くと
トキワ荘の住人とその周辺にいた
総勢 13 人の漫画家が描いた
それぞれの「トキワ荘物語」がありました。

13 人は
赤塚不二夫!石森(石ノ森)章太郎!
鈴木伸一!つのだじろう!手塚治虫!
寺田ヒロオ!永田竹丸!長谷邦夫!
藤子不二雄(便宜上ひとりと数えますが)!
水野英子!森安なおや!
よこたとくお!横山孝雄!

それに文章だけですが
丸山昭が「トキワ荘前後」を書いています。
丸山は当時!講談社の編集者です。

そういえば
丸山昭著/まんがのカンヅメ/が
トキワ荘の住人を俯瞰(ふかん)していて
映画の解説に適しているかも。

いずれにしても驚くことに
各自の逸話が共通しているんですね!
エピソードに記憶違いやら
勘違いやらでそごを生じるのが
普通のような気がするのですが。



手塚治虫が漫画の神さまなら
石森章太郎は漫画の天才だと私は思います。

その天才が仲間を評しています。
(石森章太郎著/章説・トキワ荘・春/)
なかなか面白い観察文です。

しかし!
石森の心はいつも晴れていないような!
夭折した姉の面影を引きずっています。

姉は美人だったそうな。
仲間たちがいうには
弟はまったく姉に似ていないとか。

石森章太郎が主人公なら、、、切ない。
暗くなりませんかね。
そうでなくてよかったと!思ったら
寺田ヒロオも!また!暗い。

映画も暗い。
なんの山場もありません。
ゆらゆらとときが流れて行くだけ。

多少なりとも上記の本などに接していたので
ああ!あの場面かと勝手にうなずくのみ。

みんなの認める兄貴分の寺田が
ストイックなんですね。
自分の信じるスタイルだけが漫画だと
曲げないのです。
それは明るく楽しい!暴力のない!
教育勅語のような少年漫画。

当人は少年漫画といっていたようですが
児童漫画ですね!不肖・私の見解は。
エロ・グロ・ナンテンスだけに
心惹かれる(?)私には苦手な分野です。

変化の激しい高度経済成長期では
通じない思想のような。
寺田は必然的にどんどん世間から
そして業界から仲間から
乖離(かいり)して行きますね。

くり返しますが画面が
暗く静かにときが流れるだけ。
この映画!
専門家・好事家は納得できてもねぇ、、、。

たしか!
つげ義春も棚下照生も登場していましたね。
まったくトキワ荘と
接点のない人たちと思っていましたが。



映画公開時には
手塚治虫と
寺田ヒロオはすでに鬼籍に入っていたはず。
藤子・F・不二雄も
そのころに亡くなっています。

そして今!
赤塚不二夫!石森章太郎!
長谷邦夫!森安なおや!棚下照生!
編集者だった丸山昭らが
遠いところへ行ってしまいました。



トキワ荘では
生キャベツに醤油をかけて食べていました。

貧乏で買いものはたくさんの種類は買えず
キャベツならキャベツだけ
大根なら大根だけ。

キャベツのときには
生キャベツにキャベツ炒めに
キャベツのみそ汁という
キャベツづくしのメニューだったようです。

今の私もそうですけどね。
生キャベツ!そのままかじってもおいしい。
貧乏にかかわらず(赤貧は赤貧ですが)
生野菜好きですからね。

醤油をかけたらたくさん食べられます。
トンカツソースをかけたら洋風(?)の味。
マヨネーズを加えたらごちそう。
油は心をとろけさせるものですね。

映画で寺田の発明(?)という
チューダーを飲んでいました。
焼酎のサイダー割り。

私は長い間
焼酎でもウイスキーでも
C.C.レモンで割って飲んでいましたが。
blog99.jpg

最近!あまりそうしなくなりました。
買えなくなったからです。

いつも行くスーパーに
1.5L のペットボトルの C.C.レモンが
120 円くらいであったのですが。
売り場から消えました。
値上げしたのならともかく
なぜか!まったく棚にありません。

500ml のボトルはありましたが。
税抜き 69 円もしました。

ちなみに家では
どんな酒でもコーヒーカップで飲んでいます。
底の面積がたっぷりあるこのカップは
ころがりにくいからです。

そそっかしいので
キーボードでもたたいていたら
ちょこんと当ててしまうのが常です。



(敬称略)
タグ:手塚治虫
コメント(0) 
共通テーマ:映画