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いがみの権太も天野屋利兵衛も [パパラッチ!ママえっち?]

大阪市中央区の本町橋のそばに
「義侠 天野屋利兵衛之碑」があります。
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昭和 14 年(1939)ですか!建立は。

なぜか!碑文がえぐり取られています。
イヤなら全体を撤去したらいいようなものなのに。
今ではこの碑の存在を
だれも気にする人もいませんが
悲しい歴史が泣いているように私には見えます。

利兵衛は
大石内蔵助(くらのすけ)から注文を受けて
吉良(きら)邸討ち入りに使う
武器を調達したなんて記憶している人もいますが
現実的ではないことは火を見るより明らかでしょう。

だいたい!天野屋利兵衛なんて架空の人!?
よく似た名前の人がいたのかも知れませんが
史実ではありません。

大石内蔵助ではなく
大星由良之助から依頼されたというのなら
分かりますがね。

浄瑠璃や浪曲や
歌舞伎の世界だけの商人の碑を建てて
日本はどこへ行こうとしていたのでしょう。



そういえば!
浄瑠璃の義経千本桜(すしや)に出てくる
「いがみの権太」の墓がありましたね。

ふと!だれかが指さしていた遠い日。
吉野の近くだったような。

吉野に近いはずです。
権太は吉野山ふもとの下市村の
釣瓶すし屋の勘当されている息子。
悪人だったのに
善行して命を断つのですね。

ま!浄瑠璃でよく使われる手法かも。

近鉄電車・吉野線の
無人駅の越部(こしべ)駅から歩けば
住宅の中のこれですか!
「いがみの権太」の墓は。
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よく分かりません。
案内板もありません。
碑を指でなぞれば
なんとなく「権太」と読めませんか。

これも架空の人ですよね。
架空の人の墓。
もっとも!墓かどうかも分かりませんがね。
近代に建てられた碑でしょう。



ま!いいですけどね。

どうせ!この世は絵空ごと。
いにしえの人がよく使った
「うたかたの世界」とは絶妙な表現かも。
宇宙の時間から見れば
水の泡も文楽人形も
人の一生も同じようなもの。

夢も現実も境界なんてありゃしない!



「きみはあの月も 星も あんなものが
 本当にあると思ってるのかい」
とある夜ある人が云った
「うん そうだよ」
自分がうなずくと
「ところがだまされているんだ
 あの天は実は黒いボール紙で
 そこに月や星形のブリキが
 貼りつけてあるだけさ」
「じゃ月や星はどういうわけで動くんかい」
自分が問いかえすと
「そこがきみ からくりさ」
その人はこう云ってカラカラと笑った
気がつくとたれもいなかったので
オヤと思って上を仰ぐと
縄梯子の端がスルスルと星空へ消えて行った

(稲垣足穂作「見てきたようなことを云う人」より)



私は今!絶不調。
うつの時代ですねぇ。
カラカラ笑うしかありません。

春までほっといてください。



(敬称略)
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