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万博公園のムクゲとハマボウ [解語の枯れ尾花]

梅雨が明けそうで明けない日
万博記念公園にムクゲ(槿)の花を探しに行きます。
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どうして「ムクゲ」か?!

異国の地で団体からはぐれてしまいました。
人家のないところ。
真っ赤なムクゲ。
底白の花ばかり。
不安が増すばかり。

それは夢。
未明に目が覚めて冷汗三斗!

白居易(772 ~ 846)の詩の
「槿花(きんか)一日(いちじつ)の栄(えい)」でも
いわゆる「槿花一朝(いっちょう)の夢」でもなく
なんの不安なのでしょう。

ま!人生追われているような不安ばかり。

今はムクゲの花の季節なのはたしかですが。



どこにでも!
まして!広大な公園には
そこここに妍(けん)を競っていると
勝手に思ってきたのですが。

ありませんね。
案外ないもんですね。

もしかしたら
たくさんの種類の標本展示があるかも!
そんな期待できたのですが。

万博記念公園の大部分を占める自然文化園を
足を棒にして!やっと
太陽の塔に向かって左に 1 本。
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それに「日だまりの池」のそば。
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ちょうど雲が切れたとき。
たくさんの花がまぶしい。

といっても!前に咲いているのは
同じアオイ科の芙蓉(フヨウ)ですね。

そして!ムクゲが幾種類か。

後ろに高く目立っているのはサルスベリ?!

そう!むしろ!白居易はムクゲより
サルスベリの詩を多く残しているのでは。

白居易ばかりではなく
杜牧も楊万里も
紫薇花(しびか)の詩を残しているようですね。

紫薇(しび)とはサルスベリのことらしい。



中央口に帰ってきて休みます。
なんだかがっかり。

中央口のそばのフードコーナーでランチ。

ホルモン丼。税込み 500 円。
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太陽の塔を見ながらいただきます。
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と!思ったのですが
はは。
ちょうど!ここからでは樹木が隠していますね。



気を取り直して
万博記念公園の北の日本庭園まで足を延ばします。

蓮(ハス)池に人が集中しています。
今!蓮も花の季節。
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やっぱり!夏の花は漢詩の世界でもいうように
まず!薔薇(ばら)!そして蓮!
合歓(ねむ)!紫薇(しび)!
ムクゲはマイナーでしょうか。

日本庭園の中央にある心字池の北に回れば
あ!ムクゲ!?
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せせらぎの両岸に
なん本もの黄色いムクゲが?!
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ん!ムクゲに黄色い花がありましたか。
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同じアオイ科のハマボウ(浜朴)でした!

ハマボウは「浜槿」とも書いたりするほど
ムクゲによく似ていますが
これは南国の樹木でしょう。

それに「浜朴」と表記されるように
海の砂浜が好きな植物じゃないんですか。



道のべの 木槿(むくげ)は馬に くはれけり

貞享元年(1684)芭蕉の 41 歳のときの句。

芭蕉のころには
道野辺にフツーに見られる花だったのかも。

しかし!
いくつかの種類が生まれても
なぜか品種名はつけられなかったらしく
文献に残っていないようです。

ムクゲは「夏の花八景」のエリアに咲いていると
日本庭園のおね~さんが教えてくれたので
再び自然文化園にもどって南東の端に。

数種類のムクゲが咲いていました。
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季語ではムクゲの花は秋なんですね。
ああ!まだ梅雨が明けないというのに
なぜか夏に疲れて立ち尽くします。

再び雨が降りだしました。
濡れるのが心地いい午後です。



余談ですが
チャールズ・チャップリン・ジュニア著/
わが父チャップリン - 息子が見た喜劇王の素顔/を
木槿三郎(むくげさぶろう)が翻訳しています。

木槿三郎!
本名なんでしょうか。

余談の余談ですが
ムクゲは 9 グループ
50 数系統に分類している人もいるようですが
私が夢に見た「底白」の花はないようです。

著名な品種「日の丸」に代表されるような
「底赤」が一般的のようですね。



(敬称略)
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