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私の人日 そばの実の七草粥 [もっそうライス]

正月 7 日の朝まだき
其角(1661 ~ 1707)は詠んでいます。

「とばしるも
「顔に匂へる 薺(なずな)哉(かな)

七草を切っているのです。

飛んだ若草の汁がついた顔の人は
若い女性にかぎりますね。

じいさんやばあさんの顔じゃ
句にならんでしょう。

其角はまた違う年には

「七種(ななくさ)や
「跡(あと)にうかるゝ 朝がらす

独特の「はやしことば」といっしょに
にぎやかに
七草をたたいていたようです。

そんな騒ぎで起こされたカラスも
浮かれて歌い出す朝。



正月七日は「人日(じんじつ)」ですか。
人の吉凶を占う日と
一般にいわれていますが。

吉凶ではなく
子宝がたくさんできることを
祈念していたのじゃないでしょうか。

というのは
正月 1 日を鶏の日
2 日を狗(犬)の日
3 日を豕(猪)の日
4 日を羊の日
5 日を牛の日
6 日を馬の日とし
繁殖を占っていたのなら
人の日もまたおなじ!?

ちなみに 8 日は穀の日
豊作を願っているようなんですが。



「人日」といえば
よく引き合いに出される詩がありますね。

「入春纔七日
はるにいりて わずかになのか

「離家已二年
いえをはなれて すでににねん

「人帰落雁後
ひとのかえるは がんののちにおち

「思発在花前
おもいのひらくは はなのまえにあり

薛道衡(せつどうこう539 ~ 609)の
望郷の詩。
北周の使者として敵国・陳におもむき
なかなか帰れないでいるのですね。

「春に入りてわずかに七日
「顔に出てすでに二年
「あの人に告げるのは雁の帰ったのちかな
「その思いは花の咲く前からあるのに

なんて
換骨奪胎!平仄(ひょうそく)無視で
パクリの漢詩を考えようとしましたが
やめましょう!恥をかくだけ。



やっぱり食い気にもどります。

七草粥を作ります。

が!七草がありません。
ないものはなくてすませるにかぎる!
なんて
檀流クッキングみたいなことをうそぶき
私流の七草粥。

スズナ(蕪)はあります。
年末に某スナックの
新春の飾りつけを手伝ったら
カブラをひとつくれました。

冷蔵庫の底で眠っていたものらしい。
くれるほうも、、、!
もらうほうも、、、なんですかねぇ!
なんとなくおかしいですね。
お駄賃代わりですかねぇ。

後日その店から
バーボン(ウイスキー) 1 瓶と
白菜が 1 株届きましたが。
どういうお考えの組み合わせか
よく分かりませんけどね。
もらっていうのもなんですが
私は 500 円玉でもいい!
現金が好きなんですけど。



カブラを切ってゆでました。

山里から持って帰っている
「そばの実」もゆでました。

ゆでたカブラとそばの実と
だしを取るためにエノキダケを加えて
煮ましょう。

昆布茶と塩を少々。

餅を焼いて
青味に青ネギをトッピング。
blogそば粥.jpg

なかなかのできばえ。自画自賛。



人日の七草粥はできたのですが
はたして!なにを祝ったらいいのやら。
孤閨に吠える夜。



(石川忠久著/冬の詩100選/)
(一海和義著/漢詩1日1首/)参照
(敬称略)
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