SSブログ

映画「春画と日本人」を見て [活動写真]

映画「春画と日本人」を鑑賞しました。

マイナーな映画なんでしょうか。
マイナーなのは春画なんでしょうか。

上映があったのは
神戸アートビレッジセンターですが
100 人も入らない映写室に
定刻近くなっても、、、!
blog91.jpg

だれかきてよ。



春画(春宮画)は中国語?!
日本語では
「笑い絵」とかなんとかいうらしい。

ちなみに現代の人に
春画のデフォルメした女性器を見せると
笑いだすのは女性だそうな。
女性の多くが笑うそうな。

ま!春画がいいですね。
春に萌えだすようじゃないですか。

春画は性的な行為の日本画。
浮世絵と並んで
卓越した構図と
高い技術で刷られた芸術作品。

大英博物館をはじめ
世界で認められているのに
日本の政府は弾圧しつづけて
情ないかぎり。

最初の大きな出版統制は
享保の改革(1716)からだといいますが
それから 300 年後の最近になってやっと
無修正の春画の本が
出版されるようになったのですね。

どこがわいせつ(猥褻)なんでしょうか。
江戸幕府も明治政府も
遊廓や蓄妾なんかは認めておいて
なにが風俗を乱すというのでしょうね。

日本はもっと
「性」におおらかな民族のはず。

古い神社の祭事に
性行為をしたり(拙ブログ 2010/02/08
大きな生殖器を町内中
引き回したり(拙ブログ 2012/02/12)して
老若男女みんな笑顔じゃないですか。



わいせつというのなら
結婚式なんてすごくわいせつですね。
堂々と性行為の宣言じゃないですか。

「早くあかちゃんを」と声をかけるなんて
わいせつでしょう。
なにかをしなければ
妊娠しないでしょうが!

東海林さだおの漫画によくあったのですが
パパとママとこどもが歩いているほど
わいせつなことはありません。

ふたりが
なにかをした証拠を連れているんですから。



そもそも春画は縁起もの(!)として
戦場に持参するもの?!
武家には必ずあるものだそうな。

試みに手元にあった歌舞伎の根本(台本)の
傾城黄金鯱(けいじょうこがねのしゃちほこ)を
見ると!なかなか含蓄がありますぞ。

美濃の領主の斎藤龍興と久方(ひさかた)姫が
性行為をしたいのですが
ふたりとも経験がなくて
どうしていいのか分かりません。

ま!史実無視のはなしですが。

はなしをそのところだけいえば
具足櫃(ぐそくびつ)の中の
鎧(よろい)の下の
巻きものの春画を取り出し
お勉強するというもの。

すごいですね!
こんな歌舞伎を
金持ちの妻女は見ていたのでしょうか。



お勉強といえば

片よって 嫁入り手本に 見る書物

宝暦 7 年(1757)の
「天竺花大名」にある川柳。

「片よって」は「片隅で」かな。
部屋の片隅で嫁入り前の娘が
枕絵を見ているんですね。

春画というより
この場合には枕絵と呼ぶほうがいいような。

防火防災悪霊退散の絵として
賢妻は嫁入りしたときから死ぬまで
肌に着けていたものだそうな。



こんなにヌードの画像があふれていて
アイドルとしてデビューする若い娘や
若くもない女性が
すぐ水着になって見せている現代で
春画だけどうしていじめられるのでしょう。

余談ですが
年端も行かないアイドルが脱ぐことに
女性問題の有識者たちは
セクハラだの人権侵害だのと
いわないのはどうしてなんでしょうね。

明治時代になって
西洋画や西洋風の画のヌードは結構!
春画はけしからんといって
政府指導で徹底的に燃やしたので
いい春画は
海外に行かねば見られないという近代も
悲しいですよね。

西洋画にあるようなオールヌードは
春画には少ない?!

布やついたて等の小道具で
隠している絵ばかりじゃないですか。

絵の質が上等でしょう。

男女とも
生殖器がデフォルメされているのは
平安時代からの技法。
ピカソも心酔したらしい
日本のワザじゃないでしょうか。



つぎからつぎへいいたいことがあるのですが
全然まとまりません。

ロンドン大学の教授がいうように
「春画本は心と身体の健康指南」!

そのことばに尽きると今日は思うのですが。
明日になればまた違う考えになるかも。

あれ!?
映画の感想はまだ書いてないですね。



(林美一著/艶本江戸文学史/)
(田中優子著/春画のからくり/)
(アンドリュー・ガーストル著/
      江戸をんなの春画本/)参照
(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感