SSブログ

石子詰 やまと鴨 [南都有情]

興福寺の菩提院大御堂の前。
「通称十三鐘」と書かれています。
blog41.jpg

「伝説三作石子詰之旧跡」とも。

三作というこどもが
紙を食った鹿を追うため
投げた文鎮(けさん)が鹿に当たり
鹿は落命。

神鹿を殺した罪で
穴に入れられ!
石を詰められて死にました。

名前が三作。
年令十三歳。
埋められた穴が一丈三尺。
明けの七つと六つの間に処刑。
ここの鐘が十三鐘。

その母は泣きながら毎日
明けの七つと暮れの六つに
鐘を鳴らしにきたといいます。

供養に石子詰の上にモミジを植えたとか。
それで後世に「鹿に紅葉」のことばが。

はは。
なにがなんでも 13 という数字に
花札の十月でもあるまいに「鹿に紅葉」ですか。
ちょっと!
作り込み過ぎているはなしじゃないでしょうか。



平城京を護るため
武甕槌命(たけみかづちのみこと)が
白い鹿に乗って
春日大社のご神体の御蓋山(みかさやま)にきたのだそうな。

だから!ここの鹿は神鹿。
奈良公園の鹿は神鹿の子孫というのですね。
でも!白くないです。

白い鹿じゃないのなら
神鹿じゃないですよ。

その鹿を誤って死に至らしめても
死刑はひどいんじゃないですか。

すみません。
怒られそうなので!他言は無用に存じます。



供養塔は亀の上にのっています。
blog42.jpg

短命だった少年に
せめて次の世では亀にあやかって
万年生きて欲しいという願い。

ここまですれば
近松門左衛門作/
浄瑠璃「十三鐘」/の世界ですね。



手塚治虫作/火の鳥 鳳凰編/は
東大寺の大仏建立時の物語ですが
アバズレの 14 歳の娘が
石詰めの刑になっている場面がありましたね。

この娘を助けて!モデルにして
大和の茜丸は
みごとな観音像を彫りあげていました。

アバズレでも心の底まで腐っていた訳じゃなく
自己催眠か不動化反射か
ヌードになって!ピクリとも動かず
モデルをつとめるのです。

ふと!そんなことを思い出しながら
境内で阿呆が不動化反射!立ち尽くします。
blog43.jpg

五重の塔の近辺には佃煮にするほどいる観光客が
この境内にはだれもやってきません。

人の世の子は大変ですね。
神鹿の子孫も大変でしょうけど。



東向通(ひがしむきとおり)商店街にもどります。

興福寺に尻を向けることはまかりならず
家は道の西側だけに建て
興福寺の方に向いていたそうな。

いつの間にか
興福寺に尻を向ける
東側にも家が建っています。

その尻向け側に
「なら街横丁」?!
blog44.jpg

知りませんね。
古都も常に新陳代謝。

中はちょっと古風に造った屋台村かな。
いくつかの飲食店が。
blog45.jpg

1 階の奥の
「倭鴨焼肉 KAMOju」で
「やまとカモ」をいただきます。

810 円(税抜き)ランチが 4 種ありました。

鴨レバニラ炒めランチをいただきます。
blog46.jpg



琵琶湖で「カモ」と呼ばれているものは

オオハクチョウ!マガン!オシドリ!
カワアイサ!ウミアイサ!
マガモ!ヨシガモ!コガモ!
トモエガモ!カルガモ!
キンクロハジロ!ホシハグロ!ホオジロガモ!

だそうですよ。

大久保恒次著/上方の味/や
うまいもの歳時記/に書いてありましたが。

すごいですね!
水鳥はみんな「カモ」じゃないですか。

東京オリンピック(1964)の前のころは
オシドリをカモといって調理し
「鴨南蛮」を作って出しても
食材偽装のおとがめを受けなかったのですね。



そんな風土があるのです!この国には。
食品偽装もメニュー偽装も
絶えることはないのかも知れません。

神鹿の子孫も大変でしょうけど。
人の世の子は大変ですね。

ちなみに「倭鴨」は大和葛城山山麓の
御所市で養殖されている合鴨だそうですよ。



(敬称略)
コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理