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イナゴマメ咲いた 虫愛ずる姫君 [手のひらを太陽に]

イナゴマメ(拙ブログ 2016/05/28)が
咲いていました。
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すごく地味な花ですね。
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これで満開でしょうか。
それとももっとハデになるのでしょうか。

長居植物園(大阪市東住吉区)の
バラ園を越えたところ。
多くの人は秋のバラに興味があるのでしょうけど
イナゴマメには関心がありませんね。

この人が少ないエリアに虫の声がありません。
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あ!いや!
長居植物園全体にも
周囲の意外と草むらと樹木が多い長居公園にも
虫の声がありません。

ときどきコオロギらしき声があるだけ。

念のため(?)天王寺動物園(大阪市天王寺区)の
サイの草むらに行っても!?
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サバンナにもラクダのひとり暮らしの草むらにも
虫の声がありませんが。
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先日の「長居植物園の月のないお月見」では
大音響だったような。
あの合唱は
アオマツムシだけだったのかも知れませんが。

ん!?

  さまざまの虫鳴く夜となりにけり 子規

さまざまの虫は夜に鳴くのかも。

  昼の虫われに永仕へせし妻よ 波郷

昼に鳴く虫は
「昼」と断らなければならないのかも。



都会の真ん中で
カマキリがぺちゃんこになっていました。
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ああなったら大変!
道を歩いていたカマキリを保護して
草のあるところまで持って行きました。
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元気なこども(卵)を産むんだよ!
と!そのとき
カメラのモニターから消えました。

相当の距離を進んでから
通りすがりのおばちゃんから指摘がありました。

私の肩にのっていました。
離れたくなかったのですか。



あ!いいもの採れましたね。
にぎやかな都会で。
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横でママの「早く捨てなさい」と半狂乱の声。

ピュアな心では昆虫を嫌わないのでは。
ママが叫べばあわてて捨てる子と
まったくいうことを聞かない子といますが。

「半狂乱」の精神を受け継いだ子は
その子にまた「半狂乱」を教えるんでしょうねぇ。

われわれのご先祖は
昆虫食で生き延びたような気がします。
恐竜が跋扈(ばっこ)する世界で。
決してヒトは異嗜好ではないはず。

旧聞に属しますが
国連食糧農業機関
(Food and Agriculture Organisation)が
昆虫は
「環境に優しい食糧源として活用できる」と
いっていましたね。(2013/05)

ほんの昔の日本は昆虫食大国だったそうですよ。

日本全国で
なにかしらの虫が食べられてきたのですね。
大正 8 年(1919)に出版された
「食用及薬用昆虫」には
55 種類の虫が出ているそうな。



平安時代の「堤中納言物語」に
「虫愛づる(めずる)姫君」という短編がありました。

「烏毛虫(かはむし)の」
「心深きさましたるこそ 心にくけれ」

毛虫の思慮深そうな様子をしたところが
お気に入りのご様子。

男の子たちを雇って虫を集めさせています。
当然!女房たちにひんしゅくを買っています。

眉(まゆ)も抜かず!お歯黒もしません。
そうすることの方が見苦しいといっています。

面白がって
ただ毛虫を集めているだけではありません。
観察をおこたりません。
羽化するところを親に見せたりしています。

「もとを尋ねて 末を見ればこそ ことはゆゑあれ」

根源を知って!
そこから末を見てこそ意味があるというのです。

なかなか賢明な女の子じゃないですか。

でも!賢明じゃないのです!
その時代と!かの女の環境では。
生まれてくるのが早過ぎたのでしょうか。



人を松虫 枕にすだけど
  淋しさのまさる 秋の夜すがら

松虫と「待つ」をかけていますね。
16 世紀初めの閑吟集にありました。
「会える」のも楽しいものですが
「待つ」楽しさもいいものです!
待つばかりのものは思います!ひねくれながら。

ただ!アオマツムシの声はどうも、、、。
日本の松虫がよろしい。



(野中健一著/虫食む人々の暮らし)
(山岸徳平訳/堤中納言物語)
(浅野健二校注/新訂 閑吟集/を参照)
(敬称略)

(追記)
イナゴマメの花だと思ったのは
つぼみかなにかだったのかも!早とちりですみません。
拙ブログ 2016/10/28 をごらんください。
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