SSブログ

ラブホテル今昔 [いわなが姫の丑の刻参り]

某国営放送みたいなTVの朝のドラマで
「連れ込み」ということばが出てきたそうな。

カップルが堂々と裸になってなにかするところ。
ま!無理に裸にならなくてもいいのでしょうけど。
よくは知りませんけど。

「なつかしい!」と
いわゆる大阪のおばちゃんがいっています。

若ものには珍しいことばかも。

結構!息の長いことばだったようで
関東大震災(1923 年)のころから
東京オリンピック(1964 年)のころまで
使われていたような。

東京オリンピック前後には「モーテル」でしょうか。
モーターホテルを略した変なカタカナ。
くるま時代が到来したのでしょう。
もっとも!自転車で行っても
歩いて行っても一向に構いませんがね。

1970 年代には「ラブホテル」一色。
デラックス化が顕著になったようです。
露天風呂やミニプールつきとか。

1990 年!平成時代になると
ラブホテルを略して「ラブホ」といったのかな。

今はなんといえばいいのですか。

「ファッションホテル」?
「アミューズメントホテル」?
「リゾートホテル」?

高校生の女の子たちが
「Hホテル」とかいっていましたね。
端的でいいかも。



昔からだれかが
呼び名を統一していた訳じゃありませんね。

「連れ込み」は
「連れ込み宿」とか「連れ込み旅館」とか
「ご休憩旅館」とか「同伴旅館」とか
小説や文献によって勝手に使っていますね。

「モーテル」も
「ラブモーテル」ともいっていたようです。

「ラブホ」から「ファッションホテル」の時代に
仕事で出入りしていたころには
「スポーツ」とか「レジャー」とか
「プレイ」とか「カラオケ」とか
そんな単語をホテルの屋号やら会員証やら看板に
入れたがっていたオーナーが多かったような。

あ!仕事といってもフーゾクの仕事ではありませんよ。
私以外にもフツーにフツーの人が
毎日出入りしていましたからね。
「出前持ちのおばさん」やら
「信用金庫のおじさん」やら
「新聞配達の学生さん」やら。



喜田川守貞(1810 ~ ?)著/守貞謾稿/に
「盆屋(ぼんや)」という項目があります。
京坂(阪)のことば。
江戸では「出合(会)茶屋」と呼ぶとか。

「密通の会合所なり」と書いてあります。

「密通」なんですね。
わくわく!高揚感がいっぱい!

戸口を入ればすぐ 2 階に上がる階段。
2 階には昼夜いつもふとんと枕。
裏には路地。
出口や梯子(はしご)は 3、4 か所。

店のものは客の履きものをすぐ隠します。
また!だれも 2 階には上がりません。
お茶やたばこ盆は男性客が取りに降りるのだそうな。

追っ手がくるのを警戒?!
すぐ逃げ出せる用意!?
どんな男女
ときにはどんな男男が利用していたのでしょう。



現在!そんな暗いイメージはありませんね。

「連れ込む」「連れ込まれる」というイメージも
なくなっていますか。

年令も不倫も季節も時間も関係なく
「カップル」双方があけっぴろげに
楽しむようになっています。
全然!知りませんけど。

そうそう「カップル」です。
「連れ込み」時代は「アベック」ですね。

しかし!野球で連続してホームランを打つと
「アベックホームラン」なんてのは
今でも使っていませんか。
それとも「カップルホームラン」と
呼んでいるのでしょうか。

しかし!変な単語ですね。
アベックはフランス語でしょ。
ホームランは?!



大阪万博(1970 年)のころにはもう
あけっぴろげになっていたのかも。

「職場でラブホテルの情報交換をしていましたね」
おじいさんたちがいっています。

「不倫?いいですよね」というと
「違うよ!かあちゃんとやで」

ん?!

月 1 回くらい
夫婦でモーテルかラブホか知りませんが
行くのが楽しみで
その情報交換を真剣にしていたのだそうな。

どんな社会情勢だったのやら。

「それで」
「上と年の離れた 4 人目ができまして!がはは」

ああ!それだからですか!
今!いい年なのに結婚もしないで発情して
夜中に出歩いてばかりいる娘さんですね。

本人!そのことを知っているんですか。



そのころ!静かな田園地帯。
川のほとりの堤。
車道からも人家からも少しだけ離れていて
当時はアベックと呼ばれていた男女が
次々やってきて性の饗宴。

そして!翌朝。
「性」の残骸(!)やらゴミやら大変。

困りますね。
市役所に文句をいいに行ったという農場主たち。

この辺に市の予算で
お手軽な「連れ込み宿」を造ってやれ!と。

「連れ込み」は出て行けというのには
よく遭遇しますが
造れ!という陳情(?)もあったのですね。
コメント(2) 
共通テーマ:日記・雑感