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あなたに!つくしんぼ [草のゆかり]

「つくし」の季節は終わりました。

川の土手には胞子を飛ばして
役目を終えたつくしんぼが
あたたかい春風に揺れています。
blogつくし1.jpg

もう!スギナが出てきていますね。

スギナは「杉菜」でしょうか。
杉に似ているから。

柳田国男(國男)著/野草雑記/には
マツナ(肥前南高来郡)(=松菜)なんて方言も
紹介されています。

針葉樹のどれにも似ているようです。
が!
柳田は野遊びの「継ぐ菜」のことばがあるから
耳に親しい「つぎ」から
「杉」が選ばれたといっています。

日本各地に

  どこどこ継いだ どこ継いだ
  あたまの天井まで みな継いだ(加賀地方)

のようなわらべ唄があるとか。

「つくし」は「スギナ」の方
つまり!親(?)の方を指していた地方も
たくさんあったようです。

どちらでも「どこ継いだ」遊戯はできますが
スギナの方が遊べる期間が長いですからね。



「つくし」は日本の各地で愛されたようで
たくさんの名前を持っています。

  まふくだが はかまよそふか つくづくし

芭蕉の 43 歳(1686 年)のときの句。

俳句の鑑賞眼は皆無でよく理解できませんが
漢字をはめてみると
「真福田が 袴装ふか つくづくし」でしょうか。
ともかく「つくづくし」とは!
どこの地方のことばなんでしょうか。

中田幸平著/野の民俗/には
チックビ(秋田県仙北郡)という方言も出ています。
チックビはいうまでもなく「乳首」です。

「継ぐ」遊戯からきたことばが多いのでしょうけど
「チックビ」のように形からの転用もあるようです。

「法師」「坊主」「筆」「ろうそく」等々。

柳田は「澪標(みおつくし)のツクシであって」
「突っ立った柱を意味する」と
大胆に推察しています。



「筆」だの「乳首」だのとくれば
やはり
「男性器」を想像する人がいても自然かも。
野草雑記/にもその方面の
たくさんの方言を収録しています。
私はその方面にはウブなので、、、
ごめんなさい!解説できません。

野の民俗/に山形地方の唄がありました。

  つくづくし つくづくし
  だれと寝るとて かね(鉄漿)つけた
  伯父御(おじご)と寝るとて かねつけた

色っぽいですね。

伯父御とはホントのおじさんかどうかではなく
長老を指すのかも知れません。

藤林貞雄著/性風土記/によると
「お嫁さんは生娘では困る」という
なんか理解に苦しむ時代が日本全国にあったそうな。

花嫁は心身の発達した成女に限ります。
が!だれが成女と判定するのですか。
また!まだ童女だったら
だれかが無理に!?
成女にしなければならないのですね。

だから!「伯父御」なるものが出てくるような。

結果!「初子は親に似ない」
つまり!最初の子は夫に似ない!
エライことですなぁ!
でも!似ないのがフツー!それでかまわない!
という常識(!)があったのですね。
拙ブログ 2008/10/11



あ!やめましょう。
こんな非生産性なこと!
よいこは深く考えてはなりませぬ。

呆けたつくしでも我慢して摘みましょう。
まだ!頭の硬いものもありませんか。
blogつくし2.jpg

はかまや汚いところやまずそうな部分は捨てて
さっとゆがいて水に取りました。
昆布だしに淡口醤油入れて
沸騰させた中をくぐらせます。

筍(たけのこ)と油揚げを洗い米に入れて
淡口醤油とオリーブ油と味醂を振ってごはんを炊き
蒸らすときつくしを放り込みました。
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フライパンにオリーブ油を敷いて
下処理したつくしを焼いて
小豆島から到来した
高価そうな生醤油を振りました。
blogつくし4.jpg

これが!単純ですが!意外においしい。
たぶん!下処理をしないで
生でフライパンに入れてもいいかも。

右のは筍の醤油炒め。
これも 1 品になります。

下処理したものを
大台ヶ原で買ったお気に入りの田舎味噌
マヨネーズを混ぜたソース(?)でいただきます。
blogつくし5.jpg

飾りは高取城にてみんなで捕まえたイナゴ
だれも取りにこないので冷凍したままなんですが
もう春なので処分しますよ。

画像の山椒の葉はわが家のもの。
いつのまにか出て使えるようになっていました。



(敬称略)
タグ:柳田國男
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