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シャクトリムシの福知山廃線 [手のひらを太陽に]

“ ここで降ります!ごきげんよう ”

と!
JR宝塚線(福知山線)の無人駅の
武田尾駅の手前でいえば

「どこに行くの?!」

同乗のアラフォー(around 40)女史も
立ち上がります。

“ 廃線跡に!確認に ”

「確認?!」
「あなたはなん回も行ってるのじゃないの?!」

そりゃぁ!
十数回は歩いているでしょうけど
最近の洪水の繰り返しで渓谷の河原が変化していて
昔遊んだ場所がなくなったりしているのです。

「行く!」

“ おやめなさい ”

もうすぐ!陽が落ちますよ。
イノシシやマムシが散歩を始めます。
明日の仕事にさしさわりが生じますよ。

でも!いっしょに降りました。
知~らない!っと。

「なんだ!まだ明るいじゃないの」
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武田尾駅から見下ろす武庫川渓谷。

その内!
魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界になりますよ。



廃線跡の七つのトンネルをくぐります。

向こうの見えない長いトンネルもありますから
手をつなぐのはかまわないけど
闇の中で水滴が落ちてきたぐらいで
悲鳴をあげて!
しがみついたり!頬ずりしたりしないでね。
当然!いたずらは厳禁ですからね。

「え?、、、ん!」

なんか頼りない!不気味な返事!急ごう。

まず!ひとつ。
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ふたつ。
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ここが私の好きなトンネル。
気になる人とはここで撮っています。

「じゃ!私もね!」

気になりませんから!いいです。
あ!いきなり振り向くんじゃねぇ!

あ~あ!
(変顔?が撮れた!ブログにのせるぞ!?)

三つ!
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危険なので通るな!というJR西日本の警告板。

「どうすんの!?」

私は参ります!前進のみ。
そんなノーテンキな人生ですので。
あなたは未来のある美し過ぎる常識人。(知らんけど)
君子危うきに近寄らず。
引き返すのが美人のつとめです。

「行く!」

ホントに知りませんからね。
私を信用してはなりませぬ。

私はいざというときには
あなたをケダモノに投げ与えて
そのすきに逃げる卑怯ものなんですよ。



一番大きな鉄橋です。
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さびていて!
下の水まで適当に高さがあって
こわがりさんがへっぴり腰で越えるところ。

四つめのトンネルを越えて。
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五つ。
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あまりにも可愛いトンネル(?)ですが
小学生をぞろぞろ連れていたころ
数に入れようとみんなで決めました。



「ぎゃああ!」

「ごわ~!」「ぎょえ~!」

うるさ~い!

生娘でもあるまいに!(知らんけど)

「げげげげげ!」「わわわわわ!」

やかましい!しゃらっぷ!

叫びつづける大年増。
夕刻に!ケータイの電波も届かない渓谷で!
なにか!ふたりで
いけない遊びをしているみたいじゃないの!

なにがそんなに怖いの!?

シャクガの幼虫?!
すなわち尺取虫(しゃくとりむし)が無数に!
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1、2cm の尺取虫が滝の白糸のように!
乾燥中の素麺のように糸を引いて垂れています。

次から次に落ちてきます。

この季節がそうなのか
下がってくる時間帯が今なのか。

六つめのトンネルです。
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早く入りなさい!
トンネルの中なら大丈夫。

上に枝葉がかぶさっている道は
はらっても!はらっても!
尺取虫が雨あられ。

やれやれ!上部が開かれている道になって!安心。
そして!最後七つめのトンネル。
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「ぎえぇ~!」

突然!おね~さんが走り出しました。
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上からは落ちてこないけど
そっちもこっちも色とりどりの尺取虫だらけ!

シャクガの種類は多いですからね。
日本には 600 種以上
チョウの 3 倍も棲息しているはず。

その上!種々の毛虫も呉越同舟?!
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それだけ森が豊かなんですよ。

他の多くの生物が生きられるのですよ!
たとえばこの季節の鳥類の子育てなんかにも
重要な役割を
担(にな)っているんじゃないでしょうか。



帰路の電車の中や
梅田地下街を歩いているときに
ふたりの体についていた尺取虫を発見し
はらうこと!取ること 11 回。

現地ではらったつもりでも
ひとりに 6 匹ばかりついていたのですね。

まだ!どこかについているでしょう。
朝起きたら
枕もとで尺取虫が
「おはよう」というかも知れません。

「げ~っ!いやだぁ!」
「今!取ってよ~!」

今はどこに隠れているのか分かりませんよ。

「あああ!寝られない夜になりそう」

あのね!勝手じゃないの!

明の末期(17 世紀)の笑府には
あなたのような熟女が夜中に
「老虫」をいつくしむ(!)はなしがよくあります。

蘇州では男性のモノを隠語で老虫!?

あなたも夜ごと!
尺取虫のなん十倍ものイモムシを
ころがしているのじゃなかったの?!(知らんけど)



朝になってもなんともいってきません。
生きているのでしょうか。
タグ:廃線
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