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石上露子の寺内町 赤い徘徊 [みんなで歩けばこわくない]

秋は寂しい。

秋風に 人ぞ恋しき うらめしき
死ぬと遠野(とほの)に 別れても猶(なほ)

石上露子(1882 ~ 1959)の歌は寂しい。
この歌人は深い「寂しさ」を知っている人かも。

露子のふるさと
大阪府富田林市の
寺内町(じないまち)を歩きます。
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雨が降りしきります。
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なにか寂しいハイキング。



朝から雨でした。

集合時刻 30 分前!だれもやってきません。
いつもは小 1 時間前には大勢顔を見せているのに。
ま!こんな天候では元気が出ませんよね。

アラフォー(around 40)のおね~さん方の多くは
私の企画するハイキングを卒業したらしく
最近!姿を見せなくなりました。

「卒業じゃありませんで」
「嫌われたんですがな!いじめるからや」

口さがない常連のおじさんがいいますが。

だれが嫌われたの?!失敬な。
でも!ホントかな。

数少ない残ったおね~さん方も
今日は行けないというメール。

今日はやめようかな。



が!
近鉄・富田林駅を出たときには
そこそこの人数になっていました。

まぁ!高齢者ばかりですね!
雨の日は家で休んでいなさい!といいたくなるような。

富田林の寺内町は戦国時代に
京都の興正寺の別院を造営し
堀と土塁で囲った町を形成したらしいのですが
江戸時代には
陸運(東高野街道・千早街道)と
水運(石川)の交差する交通の要衝の地ゆえ
商業・酒造業でたいそう栄えたそうです。

今は商業・酒造業は見えないものの
江戸時代から昭和初期の建造物が
200 棟近く残存しています。
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金持ちだらけの町で
さらに大金持ちだった杉山家。
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この家の跡取り娘だった石上露子。

「わたしは幸福すぎる」と
いつも呪文のように念じながらの不幸せ。

ざわめきとバカ笑いばかりの
四畳半ちゃぶ台ひとつ
親子 4 人暮らしの庶民のような幸福は
ついに得られることのなかった人生。

私にも四畳半の幸せはないけど
自業自得の不幸をのろって吠えて狂っても
3 分経ったら「がはは」と笑って
別の次元にトリップできる性格でよかったような。



それでも庶民は行きますよ!東高野街道。
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遠くの空には青空があるようでも!雨降りやまず
石川右岸をさかのぼります。
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はい!頑張ってね。
丘にはい上がれば滝谷公園。
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春には
全山ピンクに染まる桜の名所も人影はありません。
奇跡的に雨が途切れたのでランチ休憩。

桜と柿の落ち葉の中の
赤い目立つ葉だけ拾いました。
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わが家の前の公園でも桜や柿はありますが
カワニナに持って帰ってやりますか。

「赤」といえば

それとなく 紅き花みな 友にゆづり
そむきて泣きて 忘れ草つむ

山川登美子の歌を唐突に思い出したり。

長谷川時雨の明治美人伝に
「明星」の 5 女流詩人の記述があります。

晶子!とみ子!花子!雅子!露子だそうですよ。

露子は石上露子
とみ子は山川登美子でしょうね。

露子の「赤」は

あしたわがさす 口紅の
赤きいろ香を とふなかれ
いたみに燃ゆる 胸の火の
消えむはてなき かげとみて

なんて私好みの詩がありますが。

赤い落ち葉!
カワニナは喜んでくれますやら。



無情と刹那的寂しさに支配されながら
日本三不動という滝谷不動尊に参詣。

行場の瀧不動堂でドジョウを求めます。
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この「身代わりどじょう」を放生してくださいね。
あ!おじいさん連中はご自分でお求めください。
100 円です。
私が差しあげるのは古希を過ぎた
おね~さん(!)方だけですよ。



みかん山を目指して山中をゆるやかに上ります。

あ!丘の上にきれいな学校。
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昔!某おね~さん(特に名を秘す)が
石川の河原から遠望して
「私の出た高校」といっていましたね。

そのころ「目立たないまじめな優等生」だったそうな。

「グンゼの白い下着をきちんとつけて」なんて。

あなたは杉田かおるか!?(拙ブログ 2013/07/28

それがどこでどう道を踏み外したの?!
今じゃ!赤い勝負下着に凝(こ)る日々。
それがいつ役に立つんだろ?

カラフルなる 勝負下着は たがためぞ
グンゼの白き パンツなつかし

石上露子の歌です。

「え?!」

ウソです。
あなたのために詠(よ)みました。
あげますから
自分の歌としてお使いください。

「いらない!」

そんな変なことを
ひとり思い出し笑いしながら
雨の山中!迷い道。

あれ?!
先ほどの前を通ったおね~さんの母校かな。
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当時は生真面目だったおね~さん!
さぼって!このあたりまできて
ながめたこともないでしょうね。


(敬称略)
(カワニナは赤い葉を喜んで食べています)
タグ:石上露子
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